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富士通、経常益が2.4倍に 海外事業が好調

» 2006年10月26日 20時03分 公開
[ITmedia]

 富士通が10月26日発表した2006年9月中間期の連結決算は、経常利益が前年同期の2.4倍になる377億円になった。海外事業が2けた増収と好調だったほか、国内もIT投資の回復がSI事業の追い風になった。

富士通の株価チャート富士通の株価チャート(1年:縦軸の単位は円)

 売上高は2兆3623億円(前年同期比7.8%増)。英国のアウトソーシングや北米のITサービス、HDDや電子部品など、海外事業はテクノロジーソリューション、ユビキタスプロダクトソリューション、デバイスソリューションの3事業とも2けた増収を達成した。

 営業利益は506億円(同6.4%増)。販管費は増加したが、海外の好調やHDD、携帯電話のコスト改善が進んで増益を確保した。経常利益は、負債/自己資本比率が1倍を切るなど有利子負債の削減が進むなどし、営業外損益の改善で大幅な増益に。純利益は148億4700万円(同93.7%増)だった。

 事業別では、テクノロジーソリューションの売上高は1兆4286億円(同6.3%増)、営業利益は364億円(同1.9%減)。海外でサービスや光伝送システム、UNIXサーバが好調だったが、前期に需要がおう盛だった携帯電話基地局の反動減もあり、営業益はほぼ横ばいにとどまった。

 ユビキタスプロダクトソリューションは売上高が5286億円(同6.1%増)、営業利益は199億円(同20%増)。国内では個人向けPCの需要が低迷したが、海外でPC、HDDが大幅増となり、コストダウンも利益を押し上げた。

 デバイスソリューションの売上高は3769億円(同12.2%増)、営業利益は160億円(同28%増)。自動車・デジタル家電向けを中心にロジックが好調だった上、昨年9月から量産を開始した三重工場の300ミリウエハラインの効果も出た。

 中間決算は7月予想を上回る形になったが、通期予想は現時点では「不確定要因が多い」として据え置く。予想は売上高が5兆2000億円、営業利益が1900億円、経常利益が1500億円、純利益が800億円。

バッテリー問題の影響は「そう大きくない」

 ソニー製リチウムイオンバッテリーの不具合問題で、富士通も30万台を対象にバッテリー交換を行う(関連記事参照)。小倉正道副社長は、同問題の影響については「影響はそう大きくない。通期で損益をゆがめるほどの影響はないのでは」とした。

 富士通パーソナルビジネス本部長の山本正己本部長は同日、電子情報技術産業協会(JEITA)の記者会見で「富士通としては損害賠償請求は白紙」と述べた。

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