ITmedia NEWS > 製品動向 >

デル、初のOpteronサーバを国内発表

» 2006年10月31日 13時33分 公開
[ITmedia]

 デルは10月31日、同社初のOpteronサーバ2機種を発表した。4ソケットの「PowerEdge 6950」と、2ソケットの「PowerEdge SC1435」で、11月から順次発売する。

 米Dellは長くAMD製品を採用してこなかったが、今年5月に方針転換を表明(関連記事参照)。デルにもOpteronサーバを期待する声が以前から寄せられていたといい、同社は「CPUメーカーで競い合ってもらい、よりよい製品を顧客に提供していきたい」と話している。

photo PowerEdge 6950
photo PowerEdge SC1435

 PowerEdge 6950は、デュアルコアのOpteron 8000番台を最大4基搭載できる4Uラックサーバ。仮想化技術「AMD Virtualization」(AMD-V)にも対応する。ホットプラグ可能な冗長化電源はAC100ボルトにも対応しており、国内顧客の電源事情に配慮した。価格は、Opteron 8212×2と2Gバイト DDR2 SDRAM、36GバイトHDD(Serial Attached SCSI)×2などの構成で109万4100円(税込み)から。

 PowerEdge SC1435は、クラスタリングを前提にしたローエンドの1Uサーバ。デュアルコアOpteron 2000番台を最大2基搭載し、AMD-Vもサポート。Opteronを採用することでラック内の電源と発熱量の増大を抑え、大規模クラスターが必要なWebサービスやオンラインゲーム、動画配信サービスなど向けに売り込む。価格は14万7525円(税込み)から。

 2機種とも、将来のクアッドコア化にも対応可能としている。

photo サーバラインアップ上の位置付け

「世の中の要求にAMDプロセッサが応えている」

 「4ソケット環境ではOpteronが圧倒的に早い。2ソケットだとIntelも頑張っているが、Opteronは消費電力で優位」──デルの桜田仁隆エンタープライズマーケティング本部長はこう話し、2年ほど前から同社にもOpteronサーバを望む声が寄せられていたことを明かした。「つまり市場がOpteronを必要としていた。処理能力、電力など世の中の要求にAMDプロセッサが応えているということだろう」

 Opteronサーバは、デルの従来製品と比べベンチマーク上でも良好な結果を出している。SC1435は、Xeonを搭載したSC1425から最大128%パフォーマンスが向上するという。Opteronは特に浮動小数点演算に優れた結果となっており、これを多用するような環境に最適な製品を提供できるとしている。AMD、Intelのプロセッサを搭載したサーバをそれぞれラインアップし、ニーズが多様化する顧客向けに選択肢を用意する考えだ。

photophoto デルが公表したベンチマーク結果
photophoto

 日本AMDの神谷知信マーケティング本部マーケティング部長は「AMDは非常に喜んでいる。Dellが採用したということは、AMDも標準化された技術になってきたということ。日本AMDとしては最も重要な顧客と位置付け、最大限努力していきたい」と歓迎。日本AMD社員がデルに常駐するなどの協力関係を結び、共同で拡販を進めていく。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.