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電子投票システムで問題多発――米中間選挙

» 2006年11月09日 11時43分 公開
[ITmedia]

 11月7日に行われた米中間選挙では、全米各地で電子投票システムが採用された。しかし同システムは以前から問題点が指摘されており、事実投票日に各地で問題が多発した。Electronic Frontier Foundation(EFF)が報告している。

 EFFは問題を最小限に抑えるため、弁護士や技術者と協力し、投票日に各地にボランティアを派遣した。7日東部時間午後8時までに、システムに関するトラブルを含む1万7000件以上の問題が、Election Protection Coalitionのホットラインに報告された。

 まず投票機械のトラブルによる投票開始の遅れが各地で発生した。またフロリダ州ブロワード郡では、投票機械が停止し、有権者が数時間も待たされた。EFFとElection Protection Coalitionは投票所の運営時間の延長を申し入れたが、却下されたという。ユタ州ユタ郡では、機械のトラブルにより、100カ所以上の投票区の投票開始時間が1〜2時間遅れた。同州でも投票所の時間延長申請は聞き入れられなかった。

 タッチスクリーン画面が勝手に切り替わり、自分が選択したい画面を表示できないという問題も各所で発生。各人の投票時間が長引くために行列ができ、投票をあきらめた有権者も少なくなかった。イリノイ州クック郡とカリフォルニア州ロサンゼルスではスキャンシステムが故障し、やはり長い行列ができた。

 前回の大統領選で、電子投票システムの問題が浮き彫りになったにもかかわらず、23州では現在でも、電子投票を行った場合の投票確認用紙の印刷を義務付けていない。しかし印刷の記録がないと、有権者は自分の票が実際に投じられたかを確認することができない。EFFはこう解説している。

 EFFは機械の問題だけではなく、投票所の係員が電子投票システムで問題が発生した場合の対処法を指導されていないのが問題だと指摘している。

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