米AMDは11月29日、高性能PC向け「Quad FXプラットフォーム」を発表した。デュアルソケットを必須とした多コア構成が特徴で、2007年に登場予定の4コア(Quadコア)プロセッサのデュアル搭載で8コア構成になる。来年以降、コンシューマーPCの多コア化時代が本格化しそうだ。
米NVIDIAが対応チップセット「nForce 680a SLI」を供給し、ASUSがマザーボードを供給。米国ではAlienwareが対応PCを12月に発売する予定。日本では「2007年第1四半期の早い時期」(日本AMD)に対応PCが発売される見通しだ。
コードネーム「4x4」で呼ばれてきたQuad FXプラットフォームの要件は、プロセッサのデュアルソケット。OSはWindows Vistaの最上位版「Ultimate」が推奨されているが、下位の「Home Premium」などデュアルプロセッサに対応可能なSKUであれば可能。グラフィックスその他、デュアルソケット以外の要件は指定していない。
ターゲットはパワーユーザー。プロセッサの多コア化が進むに伴い、ソフトウェアのマルチスレッド対応も今後進むと予想され、こうしたトレンドにいち早く対応していく。
新たにデュアルコアAthlon 64の「FX-70」シリーズも発表。動作クロックが3GHzの「FX-74」、2.8GHzの「FX-72」、2.6GHzの「FX-70」の3製品。TDP(熱設計電力)はそれぞれ125ワット。各コア1MバイトのL2キャッシュを搭載している。
新プロセッサは2個で1セットをバンドル販売する。米国価格はFX-74が999ドルなど、従来のハイエンドプロセッサ1個と同等の戦略的な設定になっている。
デュアルソケット構成はOpteronでも可能だが、一般的に入手できるUnbufferedのメモリモジュールを標準で利用でき、低コストに多コア環境を構築できるメリットがある。
ネイティブQuadコア設計の新プロセッサ「Barcelona」(開発コードネーム)は2007年に登場する予定。4コアのうち、使用状況に合わせて2コアをアイドル状態にし、1コアを100%使用、もう1コアを50%で使用──といった電源管理機能も備える。「現在と同じTDP(熱設計電力)、同じソケットでユーザーの投資を無駄にしないことを約束する」(AMD)。
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