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拡大する携帯コミック市場、一般サイト向け配信支援で弾み

» 2006年11月29日 20時11分 公開
[ITmedia]

 セルシスは11月29日、携帯電話向け電子コミック配信システムを一般サイト(勝手サイト)にも対応させ、来年2月から提供を始めると発表した。インプレスグループも、一般サイト向け電子コミック・写真集配信管理システムを12月に発売する。

 パケット通信定額制の普及などで携帯電話向け電子コミック市場は拡大している。キャリア公式サイトが中心だった配信サービスを一般サイトにも広げ、市場の成長に弾みをつけたい考えだ。

photo 携帯電話向けオーサリングツールと表示例(作品は「拳鋼少女リク」弐篠重太郎・月刊少年ブラッド)

 セルシスはアニメ制作ソフト「RETAS!」や漫画制作ソフト「ComicStudio」の開発販売で知られる。制作過程のデジタル化で培った技術をいかし、2003年から電子コミック配信システムも展開。電子書籍データを携帯電話で表示するビューア「BookSurfing」や、電子書籍向けに漫画作品を加工するオーサリングソフトなどの提供、配信サーバのレンタルなども手掛けている。

 既に約220サイトで導入実績があるが、これらは携帯キャリアの公式サイト。新サービスでは一般サイト事業者による有料・無料配信に対応するほか、ニュースサイトや音楽配信サイトなど、電子書籍とは直接関係がないサイトからの配信にも対応する。

 ドコモ向け一般サイトにはBookSurfingを原則無料で提供するほか、au、ソフトバンクモバイル向けには、BookSurfing形式をFlash Liteに変換するコンバータも用意する。来春にはPC向けFlash出力にも対応する予定だ。

 インプレスグループのImpress Comic Engineは、一般サイト事業者向けに、電子コミック・写真集の制作・配信管理システム「ViewMoシリーズ」を12月1日に発売する。「キャリア公式サイトの制約にとらわれずに自由に事業構築ができる一般サイトへの注目度が高まっている」とし、多様化する事業者ニーズに応えていく。

 同システムではFlash liteでコンテンツ配信が行え、デジタル著作権管理システム(DRM)も備える。既にゼイヴェルが、女性向けファッションサイト大手の「ガールズウォーカー」で採用を決めている。

 セルシスの川上陽介社長によると、携帯電話向け電子コミック市場は年間約100億円。パケット定額が一般に浸透する今後の成長加速を見込み、川上社長は「マーケットが大きくなる入り口。将来は500億〜600億円市場になる」と期待をかけている。

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