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Microsoft、コミック「魔法のOffice」で新ユーザーインタフェースをアピール

» 2007年01月05日 13時47分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 米Microsoftは幅広いコンシューマーへのリーチを狙ってWebベースのコミックを使い、Office 2007に搭載されたリボンベースの新しいユーザーインタフェースのメリットを説いている。

 1月に予定されているコンシューマー版Office 2007のリリースに向けた宣伝は、大部分がナレッジワーカーにとっての生産性向上に焦点を当てているが、もっと一般的なコンシューマーにもアプローチする必要があると考えたとMicrosoftは説明する。

 コミックのタイトルは「The Enchanted Office: Once Upon a User Interface」(魔法にかかったOffice:あるところにユーザーインタフェースがありました)。クリエイティブなやり方でコンシューマー市場におけるOffice 2007の露出拡大を意図したものだと、Microsoft広報は1月3日、eWEEKに語った。

 しかしこのコミックは同時に、IT専門職からよく寄せられる質問や、インフォメーションワーカーの日々のニーズにも応える狙いがあると、広報担当者は話す。

 8ページのコミックでは、主役のCEO、マデリンが「悪いソフトと収入先細り」の夢を見る。それを解決するのはリボンベースのユーザーインタフェースを備えた新しいOfficeだと、「助言者」がマデリンに指南するというストーリー。

comic CEOのマデリンが操作性の悪いソフトと格闘し、眠りに落ちると……

 新しい、そしてこれまでとは大きく違ったユーザーインタフェースに備えてもらううえで、このコミックが一助になればとMicrosoftは期待を込める。「新しいユーザーインタフェースと次期リリースのことを、職場で知ってもらうことが第一目標だ」と広報担当者。

 「新しいユーザーインタフェースは次期リリースの中でビジュアル的に最もエキサイティングな部分であり、この新しい展開によってユーザーの疑問がかき立てられることが予想される。従ってMicrosoftは、『新しいユーザーインタフェースは採用する価値があるイノベーション』だという考え方を伝えたい意向で、コミックはそのことを示す1つの手段となる」(広報担当者)

 eWEEKのテクノロジーエディター、ピーター・コーフィーなど一部の専門家からは、Office 2007は非常に複雑だとの指摘もある。

 コーフィーは最近のコラムで、Office 2007のリボンのダイナミックに変化するアイコンやアート的にレイアウトされた階層メニューエントリーポイントの並びについて、次のように記している。「1999年の映画『ギャラクシー・クエスト』で、同名の架空テレビ番組に出てくる架空の人物、トミー・ウエバーになったような気分だ。この中でエイリアンたちは、ウエバーが出てくるテレビ番組を念入りに研究して作った宇宙船の操縦席にこの男を座らせ、彼ならこれを操縦して宇宙ドックから発進させられると期待を抱く。やれやれ」

 しかしそう言いつつコーフィーは、Office 2007のこの第一印象を克服することが肝心だと述べている。

 「結局のところ、メニューとツールバーの配置に可能な限りの組み合わせ的爆発が存在する状況はOfficeの従来バージョンから既にあった。しかし一定の緊張の下、文明はなんとか崩壊せずに残っている。研究で示されている通り、人は実際、選択的知覚に長けており、自分がやろうとしていることに関係ないものを無視することを、(良くも悪くも)さっさと習得するものだ」(コーフィー)

 Microsoftはまだ、コミックの今後については決めていないと広報担当者は話している。

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