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情報管理の重要性が認知され始めた――ITRCが2006年を総括

» 2007年01月06日 09時03分 公開
[ITmedia]

 個人情報窃盗の被害者を支援する非営利団体Identity Theft Resource Center(ITRC)は1月4日、ID盗難など個人情報漏えいについて、2006年の総括および2007年の予測を発表した。同団体の創立者リンダ・フォーリー氏は「ID盗難は今後も拡大するが、米国の対処法を見る限り、今後の傾向は楽観視できる」としている。同氏によると、米国では2006年に、25州がID盗難と情報セキュリティに関する法律を制定。議会は34の関連法案を提出し、現在討議中だ。

 ITRCは2006年全般について、一般に言われるように「セキュリティ侵害の年」ではなく、セキュリティ侵害が広く認識された年だったと分析している。情報漏えいなどのネガティブな報道ばかりが強調されたものの、多くの企業は情報の取り扱い方法を改善するようになった。ただし政府、軍、教育関係はさらに情報管理の重要性を認知する必要があると指摘している。

 一方でID盗難の手口は年を追うごとに手の込んだものになっている。例えば2006年には、医療関連の個人情報窃盗が発生した。またフィッシングという言葉が普及する一方、その犠牲者も絶えない。

 2007年の予測としては、クレジットカードのセキュリティ強化を受けて、偽造小切手など個人用小切手の犯罪が増えるとITRCは見る。現時点では銀行口座犯罪についての関心が低く、犠牲者の救援方法も確立されていないためだ。

 その一方で、警察や企業によるID盗難被害者の保護、救済が強化され、近年増加している児童のID盗難被害対策に注目が集まりそうだ。

 フィッシング犯罪は今後も増加するが、対策や保護法も増えるとITRCは予測している。

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