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Samsung、モバイルTVの新技術発表

» 2007年01月16日 07時26分 公開
[ITmedia]

 Samsung Electronicsが、モバイルTVの新技術「Advanced-VSB」(A-VSB)を発表した。テレビ局が、移動中の車内や屋外などのテレビに向けてデジタル番組を放送できる技術。Samsung Electronicsが独Rohde & Schwarzと共同で開発したもので、米ラスベガスで開催されたConsumer Electronics Show(CES)で発表された。

 A-VSBは、デジタルTV規格の策定を行う国際団体ATSC(Advanced Television Systems Committee)の規格を元に開発され、2007年前半をターゲットに規格化を進めている。ATSC規格は、米国のほか、カナダ、韓国、台湾、メキシコが採用している。

 A-VSBを使えば、ユーザーは屋内/屋外問わず、移動中でもテレビ番組の受信ができる。テレビ局がA-VSB技術を使って番組を配信する際、通常の信号に加えて「ターボコード」を同時に配信することで、よりクリアで強い信号の配信が可能となる。また、信号にSupplementary Reference Sequence(SRS)という特定の配列を付加することで、受信者が移動中であっても、その信号に「固定させる」ことが可能。これにより、障害物が信号受信を妨げる場合にも、受信を継続することが可能だという。

 A-VSBの使用には、こうした新しい信号や配列の配信が必要となるものの、既存の周波数が使えるほか、従来の機材も引き続き活用できるため、低コストでの導入が可能だという。またA-VSBは後方互換性があるため、従来のデジタルTV受信者にも従来同様のサービスを提供できるとしている。

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