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IBM、「ムーアの法則」延命する新技術開発

» 2007年01月29日 11時51分 公開
[ITmedia]

 米IBMは1月27日、現行のほとんどのプロセッサで利用できるトランジスタ技術を開発したと発表した。

 同社が開発したのは、新しい素材を使った「high-k(高誘電率)金属ゲート」。ゲートはトランジスタ上で電子の流れを制御するスイッチの役割を果たす。従来のシリコンに替えて金属を採用したゲートにより、トランジスタの電気的特性を向上させると同時に、トランジスタのサイズを今の限界以上に縮小できると同社は説明する。

 IBMはAMD、ソニー、東芝とともにこの技術を開発。この技術は従来よりも小型で高速、電力効率の高いプロセッサ回路への道を開くものであり、既存の製造ラインに最小限の変更を加えるだけで取り入れられるとしている。

 同社はニューヨーク州イーストフィッシュキルの半導体製造ラインにこの技術を組み込んでおり、2008年から45ナノメートルプロセスで製造されるプロセッサにこの技術を適用する。

 半導体業界はこの新素材を採用することで、「プロセッサのトランジスタ数は12〜18カ月おきに倍増する」とする「ムーアの法則」を継続できるだろうとIBMは発表文で述べている。

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