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アフィリエイトに地殻変動 「リンク集」からコンテンツ重視へ

» 2007年04月17日 18時49分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 アフィリエイトサイトに変化が起きている。SEO(検索エンジン最適化)で検索上位を占めていた“アフィリエイトリンク集”サイトが、軒並み検索順位を下げて報酬額を減らした一方、コンテンツ重視のサイトが報酬を大きく伸ばしているという。リンクシェアの花崎茂晴社長が4月17日に語った。

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 同社パートナーサイトの昨年7〜9月のアフィリエイト報酬額を、サイトの運営形態別に調べたところ、編集コンテンツにアフィリエイトを張る「コンテンツ系」が前年同期比約2倍と大きく伸びたほか、ほぼすべての形態で報酬が増加していた。

 ただアフィリエイトリンクを並べたサイトを検索エンジンで上位にヒットさせる「SEO/SEM(検索エンジンマーケティング)系」が唯一前年割れ。検索結果にアフィリエイトリンクを張る「検索系」もほぼ横ばいと苦戦している。

 この原因を花崎社長は「Googleなど検索サービスが昨年、SEO/SEM系のサイトを検索上位から落としたため」と分析する。「アフィリエイターからも『リンクを張るだけではユーザーは来ない。コンテンツが重要』という話をよく聞く」

 花崎社長は今後、アフィリエイトサイトのコンテンツの質を重視する広告主が増えていくと予測。質の高いコンテンツを発信するサイトには、一般サイトよりも高額のアフィリエイト報酬を支払う企業も出てきそうだという。

ブログアフィリエイトの盛り上がり、日本だけ?

 個人のアフィリエイターも増えている。同社のパートナーサイトの9割は個人サイトだ。うち、ブログが占める割合も高まっており、個人サイトからのアフィリエイトリンクのクリック数を見ると、1月時点で31.3%がブログからのクリック。販売額では14.6%がブログからだった。


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 アフィリエイトビジネスで個人ブログがここまで存在感を持っているのは日本だけだという。「米LinkShareのスタッフと話すと、『ブログがアフィリエイトに影響を与えるとは思えない』と言われる」

 米Edelmanが発表した調査によると、他人の政治行動に影響を与える「インフルエンサー」のうち、ブログを読んでいる人の割合が最も高いのは日本(91%)で、米国の34%を大きく上回っている。これは政治分野に限った調査だが、日本ブログが世界一多いという調査もあり、日本でのブログの影響力は、他国に比べても大きそうだ。

テレビ通販のアフィリエイトが成長

 アフィリエイトバナーを出稿する広告主側では、テレビ通販の売り上げが伸びているという。動画コンテンツが一般化し、動画のアフィリエイトリンクが配信できるようになったことや、通販番組のネット進出意欲が高まったことが要因という。

 動画の利用は一般のECサイトにも広がりつつあり、ソニースタイルやムトウ、セシールなどは、商品を動画で紹介するブログパーツを公開している。

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