ソネットエンタテインメント(So-net)が5月10日発表した2007年3月期の連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が前期比5.2倍の33億3800万円になるなど、売上高・営業利益・経常利益で過去最高を更新した。FTTHを中心に、ブロードバンド接続サービスの課金収入が増加した(関連記事参照)。
売上高は13.6%増の480億6600万円。うち7割弱を占める接続事業は16.6%増の323億8700万円だった。ブロードバンド会員は通期で18万増の101万。そのうちFTTH会員は47万で、増加分はほとんどがFTTHだった。ポータル事業の売上高は7.8%増の156億7900万円。課金コンテンツの絞り込みを進めた一方、Jリーグチーム公式サイトでのグッズ販売など、一部の商品販売が好調だった。
ブロードバンド会員の増加がナローバンド会員の減少分を補った上、販路の絞り込みで会員獲得コストを効率化するなどし、大幅な営業増益を達成。単独でも営業黒字化した。経常利益は3.9倍の32億2900万円。純利益は、前期に投資有価証券売却益を計上していた反動で、79.0%減の22億800万円だった。
今期の連結業績予想は、売上高が520億円(8.2%増)、営業利益が44億円(31.8%増)、経常利益が48億円(48.7%増)、純利益が26億円(17.7%増)。
ディー・エヌ・エーに売却した航空券販売子会社スカイゲートの影響を除くと、売上高は約13%増になる計算。接続事業の売上高予想は14.2%増の370億円。ブロードバンド会員は14万増の115万を見込み、前期に続き増加分のほとんどがFTTHになるとみている。
前期はオンラインゲーム運営のゲームポットや、アニメ制作のGDHなどに相次いで投資した。吉田憲一郎社長は「大きな投資は一巡。今期はどうシナジーをあげていくかが課題」と話し、女性に人気のペット育成型コミュニケーションサービス「livly」などのキャラクターを活用したアニメ・ゲームの展開を急ぎ、テレビ番組表サービスの拡充など、分野を絞ってナンバーワンを目指す「トップニッチ」戦略を推進する。ゲーム内広告や、地図を活用した広告商品の展開も検討していく。
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