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ソニー今期は大幅増益見通し 営業益6倍に

» 2007年05月16日 21時48分 公開
[ITmedia]

 ソニーが5月16日発表した2007年3月期の連結決算(米国会計基準)は、液晶テレビの好調などで売上高が過去最高になった。ゲーム事業の損失とノートPCバッテリー問題に対応する引当金計上で営業利益は減ったが、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズの持分法投資利益が貢献し、純利益は前期比2.9%増の1263億円を確保した。今期はゲーム事業の改善などから大幅な増益を見込む(関連記事参照)

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 売上高は10.5%増の8兆2957億円。エレクトロニクスが増収だったほか、ゲーム事業も「プレイステーション 3」(PS3)の発売で増収だった。

 営業利益は68.3%減の718億円。エレクトロニクスは、ノートPC用バッテリーの交換費用として512億円を引き当てたが、円安も追い風になって増益。だがゲーム事業で巨額の損失を計上。前期に厚生年金基金の代行返上益が含まれていた反動もあり、全体では減益となった。

 税引き前利益も64.4%減の1020億円にとどまったが、ソニー・エリクソンの好調から持分法投資利益が6倍の787億円に上り、最終利益は増益となった。

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 エレクトロニクスは売上高が16.9%増の6兆505億円、営業利益が22.7倍の1567億円と大幅に改善した。BRAVIAが06年暦年の液晶テレビ市場で金額シェアトップとなり、海外でノートが好調だったPC「バイオ」、約26%増の1700万台を販売したコンパクトデジカメ「サイバーショット」などが貢献した。バッテリー関連費用などを除けば、営業利益率は目標の4%を達成したとしている。

 今期は売上高が8兆7800億円(6%増)と過去最高を更新し、営業利益は6倍強の4400億円に拡大する見通し。PS3の採算性改善やソフト充実でゲーム事業の営業赤字が大幅に縮小する見通しな上、バッテリー関連費用が外れるエレクトロニクスも増収を見込む。税引前利益は4倍強の4200億円、純利益は2.5倍の3200億円を予想している。

 設備投資は6%増の4400億円を計画。うち半導体は200億円減の1300億円とし、イメージセンサー関連に重点投資する予定だ。

「α」は夏以降、新機種を投入

 テレビ事業では今期も2〜3割の価格下落を覚悟しているが、約6割増の1000万台出荷を見込み、今期中に黒字転換する見通し。

 「α」ブランドで参入したデジタル一眼レフの実績は約40万台。今期は「夏以降にニューモデルをいくつか投入できると思う」(大根田伸行CFO)としており、シェア10%に当たる60万台を見込んでいる。

 携帯オーディオは横ばいの450万台にとどまり、今期は50万台増の500万台を目指す。大根田CFOは「市場の多くは日本。米国ではシェアが低く、戦いになってない」と認めるが、「以前から言っている通り、この領域は映像も含めたビジネス。もう少し時間を頂き、この分野に戻りたい」とした。

 PS3を除いたBlu-ray Disc機器については「台数は公表していないが、まだかなり小さいのは認めざるをえない」(大根田CFO)。ソフトも正確な数字は言えないとした。

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