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» 2007年06月08日 19時55分 公開

富士通、09年度に営業利益率5%超に

「社員が意気喪失していた」という就任時から4年たった富士通の黒川社長が新経営計画を発表。企業体質は改善できたとして、今後はサービス事業をけん引役として利益拡大を図っていく。

[ITmedia]
photo 黒川社長

 富士通の黒川博昭社長は6月8日、2009年度(2010年3月期)までの中期経営計画を発表した。好調に拡大しているサービス事業をさらに強化し、悪化しているシステムプラットフォーム事業の健全化を進める。厳しい競争が続くHDD、PC、携帯電話は黒字を堅持し、半導体は先端ロジックをてこに売り上げ拡大を目指す。06年度に3.6%だった連結営業利益率を、09年度に5%超に引き上げる目標を掲げる。

 「これまではお客さまの信頼を回復する3年間。これからは成長とリターンを拡大する3年間に」──都内で開いた説明会で黒川社長はこう話した。

 03年の社長就任時は「富士通はいろいろなところで袋だたき。成果主義の話など、社員も意気を喪失していた」。そこで「昔やっていたプロジェクトリーダーの性格から、『ネガティブなリストラはやらない、だから頑張れと』」。社員の「闘うマインドと行動を取り戻す」ことに力を注いできたという。

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 03年度に1503億円だった連結営業利益は、06年度には1820億円に拡大。営業利益率も0.4ポイント改善して3.6%に。純利益は497億円から1024億円になるなど、増益軌道にのった。

 特にサービス事業の伸張が目覚ましく、連結営業利益は04年度の866億円から06年度に1561億円に拡大。HDD、PC、携帯の「ユビキタスプロダクトソリューション」も、競争激化と価格下落という事業環境の中で利益を伸ばすなど、コストダウンとボリューム拡大でカバーする基礎体力が全社に付いてきた。有利子負債は3008億円にまで半減させるなど、財務面の改善も顕著だ。

サービス事業のグローバル展開を強化

 「企業体質はかなり改善できた」という前3年間を踏まえ、今後は「強いところをさらに強くする」3年間にする。

 「テクノロジーソリューション」では、サービス事業が特に海外で好調。独SAPや米Microsoftとのアライアンス拡大やインドのオフショアセンター設立、サービスセンターや研究開発拠点のグローバル展開などを進め、世界戦略を加速させる。一方、収益が悪化しているサーバなどのシステムプラットフォーム事業は、製販一体化による商品開発プロセスの改革や商品絞り込みなどを進め、健全化を図っていく。

 半導体を担当する「デバイスソリューション」は06年度、増収に転じたものの営業利益は減益にとどまった。今後は90ナノメートル以降の先端プロセスを成長エンジンに位置付け、ロジック事業の拡大を図っていく。

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 ユビキタスプロダクトは、HDDのノンPCへの拡大や、PCと携帯の商品力強化で成長を確保していく。ただ競争激化を折り込み、07年度は増収減益になる見通しだ。

 07年度は中期計画の初年度として「富士通が変わる年」と位置付ける。連結業績の目標は、売上高が5.8%増の5兆4000億円、営業利益は4.4%増の1900億円。

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