「Twitterを知ってから、24時間以内に活用を始めました。無料だし、簡単ですから」
マツダが、Twitterをキャンペーンに活用している。「MazdaRotary」のアカウント上で、40周年を迎えたロータリーエンジンについてのファンからのコメントを、1日5本程度更新中だ。Twitterのビジネス利用は一部で始まっているが、日本の大手企業がマーケティングに利用するのは珍しい。
「『Twitterを使ってマーケティングを』と真剣に考えたというよりは、こういうのがあるからやってみようという軽いノリでした」と、同社の樋笠順子さん(広報渉外本部グローバル広報企画部企画・経営グループアシスタント・マネージャー)は言う。
キャンペーンでは、40周年記念日までをカウントダウンできるブログパーツを配布。ブログパーツの“おまけ”機能として、ファンがロータリーエンジンについての思い出などを、25文字までのテキストで書き込んで他ユーザーと共有できるブログパーツを配布した。Twitterに投稿しているのは、このファンからのコメントだ。
「初めて買った車がロータリーエンジンでした。愛してます」「ロータリーがなかったら、こんなに広島(マツダ本社の所在地)を好きでなかったと思う」――ブログパーツにこれまでに寄せられたコメントは500以上。予想外に多く集まり、その1つ1つが「涙が出るほど熱かった」(樋笠さん)
ブログパーツ上では、集まったコメントを1件ずつ表示。クリックすれば次のコメントを見られるが、500以上のコメントを全部見るには500回以上クリックを続けなくてはならない。せっかく集まったたくさんのコメントをもっと見やすく表示したい――そう思っていたところに、スタッフから紹介されたのがTwitterだった。
「正直言って、Twitterの面白さは当初は分からなかったのですが、いろいろな使い方があるなと気付きました」。Twitterは、自分がしていることをリアルタイムで更新するのが基本的な使い方だが、これまでストックしたコメントを一覧表示するのに使ってもいいのでは――と思いついた。
「投稿されたコメントをブログで表示するという手もありますが、冗長になってしまいそう。Twitterならタイトル不要で、短いコメントをそのまま並べることができます。利用も無料で簡単ですから、社内向けに書類を書いたりはんこをもらったりする必要もなく、Twitterを知ってから24時間以内に使い始めました」
ただTwitterは、一般ユーザーが楽しんでいる場。企業の参入は快く思われない可能性もあると考え、運用には気を配った。「当社からの宣伝メッセージではなく、ユーザーさんの書き込みを表示するので、大きな拒否反応はないかと考えました。1度に大量のコメントを載せると、フレンドになってくれている人のところに大量に載ってしまってスパムみたいになるから、1〜2時間あけて1件ずつ投稿し、1日5件までに限定しています」
MatsudaRotaryのフレンドは現在70人。「ほとんど宣伝していないのにたくさんのフレンドが集まって驚いた」という。Twitterをマーケティングに活用したという意識はなく、「やってみたら予想外に反応がよかった」のが真相だ。
現在、ブログパーツ経由で集まっているコメントは9割が日本語、1割が英語だ。今後は、海外で行うイベントなどでもブログパーツを紹介し、英語のコメントもさらに多く集まるように仕掛けていきたいという。
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