世界最速スーパーコンピュータを決めるTop500リストが6月27日、2007 International Supercomputer Conference(ISC)で発表された。前回に続き、IBMが首位を維持した。
今回トップに立ったのはIBMのBlueGene/Lで、Linpackベンチマークスコアは280.6TFLOPS。米エネルギー省のローレンスリバモア国立研究所で利用されている。これで6回連続の1位となる。
2位はCrayのJaguarで101.7TFLOPS。米オークリッジ国立研究所に納入されたものだ。3位は米サンディア国立研究所のRed Stormシステム。Cray製でベンチマークは101.4TFLOPS。4〜7位はいずれもIBMのシステムで8位はDellのAbe、9位はIBMのMareNostrum、10位はSGIのHLRB-IIとなっている。
国別で見ると、1〜8位を米国で稼働するシステムが占め、9位はスペイン、10位はドイツとなっている。日本勢は東工大のTSUBAME Grid Clusterが14位(48.9TFLOPS)、地球シミュレータが20位(35.9TFLOPS)となっている。
全体では、米国が500台中281台を占めた。欧州は127台、アジアは72台だった。アジアの中では日本が23台で最多だったが、前回(2006年11月)の30台からは減少。中国も18台から13台に減っている。
順位 | 場所 | コンピュータ | ベンダー | LINPACK(TFLOPS) |
---|---|---|---|---|
1 | ローレンスリバモア国立研究所(米国) | BlueGene/L | IBM | 280.6 |
2 | オークリッジ国立研究所(米国) | Jaguar | Cray | 101.7 |
3 | サンディア国立研究所(米国) | Red Storm | Cray | 101.4 |
4 | IBMトーマス・ワトソン研究所(米国) | BGW | IBM | 91.29 |
5 | ストーニーブルック大学計算機センター(米国) | New York Blue | IBM | 82.16 |
6 | ローレンスリバモア国立研究所(米国) | ASC Purple | IBM | 75.76 |
7 | レンセラーポリテクニック研究所(米国) | eServer Blue Gene Solution | IBM | 73.03 |
8 | 国立スーパーコンピュータ応用研究所(米国) | Abe | Dell | 62.68 |
9 | バルセロナスーパーコンピューティングセンター(スペイン) | MareNostrum | IBM | 62.63 |
10 | ライプニッツ研究センター(ドイツ) | HLRB-II | SGI | 56.52 |
ベンダー別では、IBMとHewlett-Packard(HP)のシステムが大半を占めた。台数ベースではHP製システムが40.6%を占め(前回は31.6%)、IBMは38.4%(前回は47.2%)だった。ベンチマークスコアベースでは、IBMが首位を維持し、41.9%のシェアを獲得した。ただし前回の49.5%からは減少しており、その一方でHPは16.5%から24.5%へと伸ばしている。
プロセッサ別で見ると、Intelプロセッサ搭載システムが57.8%を占めた。前回の52.5%よりもわずかに増えている。次に多かったのはAMDで21%、前回の22.6%からは減少した。IBMのPowerプロセッサは17%だった。また、デュアルコアプロセッサ搭載システムが増えており、IntelのWoodcrest搭載システムは前回の31台から205台に、デュアルコアOpteron搭載システムは75台から90台に拡大した。
今回Top500リストの最下位のシステムのベンチマークスコアは4.005TFLOPS。前回の2.737TFLOPSよりも大幅に上昇している。この最下位のシステムは、前回は216位に入っていたという。
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