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テレビ電話できる「FOMAヘルメット」ワイヤレスジャパン2007

» 2007年07月20日 18時01分 公開
[宮本真希,ITmedia]
画像 Uメット(タイプA)

 身の安全を守りつつ、被害状況をテレビ電話で伝える――災害時の利用を想定したヘルメットが、「ワイヤレスジャパン2007」(東京ビッグサイト)のNTTドコモブースで展示されている。作業用ヘルメット製造の谷沢製作所が開発した「Uメット(タイプA)」の試作品で、FOMA網による通信に対応し、動画カメラ、GPSを備えている。

 遠隔地からFOMA網経由で機器を操作できる「FOMA AVユニット」を内蔵した。テレビ電話機能を利用し、カメラで撮影した映像を、FOMA端末で見ることができる。映像は、30秒までならSDメモリーカードに記録してPCにメール送信することも可能。GPS機能を使えば、FOMA端末から現在地を把握することもできる。

 ヘッドセットで音声通話も行える。通話は呼び出しボタンを押すだけでOK。あらかじめ登録した番号に電話をかけられる。「ボタンをできる限り少なくして、緊急の現場で使いやすいようにした」(説明員)

 重さは約1キロと重く、カメラが前部に付いているため重心が前にあってバランスが取りにくい。「実用化に向け、700グラムほどに軽量化する」と説明員は言う。

画像 Uメットで撮影した動画をPCで表示

 現場の状況を確認したいという工事現場の安全管理者などの声に応えて開発を始めた。自治体や警察が災害の状況を把握するのにも役立つと見ている。「米国同時多発テロの時、状況が分からないまま現場に入り、亡くなった消防士も多かった。このヘルメットを使えば、緊急現場の状況を確実に伝えられる」(説明員)

 NTTドコモ担当者に試作品を見せたところ好反応だったという。「ドコモの製品は一般消費者向けの商品が多い。Uメットは企業向けに販売する製品ということもあり、興味を示してもらえた」

 発売時期は未定だが、リース販売になる見込みだ。「1台の価格は、FOMAの通信料や基本使用料も含めて1カ月当たり2万円くらいになるだろう」

画像 左からUメットのタイプA、タイプB

 同社は多機能ヘルメットとして、無線信号を受信できるバイブレーター機能付き「Uメット(タイプB)」も開発している。線路脇で工事をする作業員など向け。工事現場の近くに電車が迫った時、安全管理者が警報を無線送信すれば、UメットがLEDと振動で作業員に危険を知らせる仕組みだ。

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