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AMD、第2四半期にシェア奪還――Mercury調査

» 2007年07月31日 15時20分 公開
[Scott Ferguson,eWEEK]
eWEEK

 厳しいスタートを切ったものの、米AMDは第2四半期に、前期に失った市場シェアを4ポイント取り戻した。Mercury Researchが最新の調査報告書を発表した。

 この調査は第2四半期中に出荷されたx86プロセッサの数を調べたもの。それによると、AMDの市場シェアは22.9%と、前四半期の18.7%から上昇した。

 米Intelは依然としてx86プロセッサ市場の大勢を占め、第2四半期のシェアは76.3%。前四半期のシェアは80.5%だった。前年同期のシェアはIntelが72.9%、AMDが21.6%だったとMercuryの7月30日の報告書にはある。

 プロセッサ市場全体は好調な第2四半期を送り、モバイル、デスクトップ、サーバの3セグメントすべてが2けた成長を記録した。デスクトップ市場は特に好成績だった。

 プロセッサ市場のPCセグメントは前四半期から12.2%成長した。前年同期との比較では15.2%の伸びだった。

 x86市場全体の伸びは、コンシューマー市場が常になく好調だったことなど、幾つかの要因に帰することができると、Mercury Researchの創設者で主席アナリストのディーン・マカロン氏は話す。今回の報告書を執筆したのも同氏だ。

 第2の要因は、半導体メーカーのチャネルパートナー向けのプロセッサ出荷量が予想以上だったことだ。中国など新興市場の売り上げは好調だったが、ほかの理由は依然不明だ。

 「市場の需要が全般的に極めて高かった。正直なところ、第2四半期がこんなに好調だった理由は誰も分からない。すべての兆候が低調を予測していた。同四半期はその予測を吹き飛ばした」(マカロン氏)

 AMDにとって、同四半期は在庫を整理する機会になった。マカロン氏は、AMDは2006年第4四半期の需要を多く見積もり過ぎ、PCメーカーとチャネルパートナー向けに必要以上のプロセッサを出荷したようだと説明する。

 2007年第1四半期に、これらのPCメーカーとチャネルパートナーは残ったプロセッサを使い、AMDに追加発注をしなかった。AMDは第2四半期までに需要と出荷のバランスを取り戻した。それが同社の市場シェア奪還を後押しした。

 「基本的に、AMDの第4四半期のシェアは水増しされていて、第1四半期のシェアは実際より少なかった」(マカロン氏)

 同氏は第3四半期に関して、初期の兆候から見て、特にノートPC市場で引き続きプロセッサ出荷は好調だろうと述べている。サーバ市場での新しいプロセッサの採用はPC市場よりもやや遅いため、サーバセグメントの向こう数カ月の状況はまだ不明だと同氏は言う。

 それでもAMDとIntelは、同四半期にハイエンドサーバプロセッサを幾つか投入する予定だ。

 AMDはクアッドコア(4コア)Opteron「Barcelona」を、続いてIntelはマルチプロセッササーバ向けの「Caneland」プラットフォームを投入する。

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