米調査会社IDCは8月2日、2007年第2四半期(4〜6月期)の世界携帯電話出荷台数は、2億7270万台との調査結果を発表した。第1四半期との比較では約6.9%増、前年同期比では16.5%以上の増加となる。
前年同期からは確かに伸びているが、2006年第1四半期の前年同期比22%増と比較すると、伸び率が鈍化しているのは明らかだ。原因は、成熟市場での普及度が進み、伸び率が主に買い替えに依存しているためと見られる。出荷台数の伸びに貢献しているのは、新規加入者が増え続けている地域だという。
メーカー別ランキングでは、SamsungがMotorolaを抜いて2位の座に躍進した。Motorolaは不振な第1四半期に続き、第2四半期の出荷台数も低迷したと発表。その同じ日に、Samsungは4四半期連続で出荷台数が過去最高記録を更新したことを明らかにしている。
IDCは携帯電話市場における第2四半期最大のニュースは、AppleのiPhoneによる参入だと指摘。出荷台数は限定されているものの、業界に多大な影響を与えるとしている。その理由として、工業デザインとユーザーインタフェースの既成概念の枠を超えたこと、従来携帯電話環境をコントロールしてきた、携帯電話メーカーとキャリアの関係図を根本から変えてしまったこと、iPhoneへの注目度の高さが、携帯電話を実用の域からファッションの域へと動かしたことを挙げている。
Nokiaは第2四半期、出荷台数で2〜4位の出荷台数合計を上回るというダントツの首位。同社の出荷台数増に貢献したのは主に欧州、アジア市場であり、北米ではやや苦戦気味のようだ。またNseriesとEseriesの売れ行き好調により、機能複合型携帯でも1390万台と過去最高の出荷台数を記録した。
Samsungは過去最高の3740万台で2位の座を獲得。同社はUltra Editionと最近発売したUltra Specialの成功を挙げているが、成長中の市場向けの出荷台数増も貢献している。
主要ベンダーのなかで、前年比で出荷台数が減少したのはMotorolaのみ。同社は新幹部の任命、製品ポートフォリオの一新、在庫減らしと従業員削減で苦境を乗り切ろうとしているが、専門家らは完全復活するには今後もさまざまな局面を乗り越える必要があると見る。ただしRAZRの累計出荷台数は1億台を突破した。
Sony Ericssonは4位を堅持し、前年対比では上位5社中最大の伸びを記録した。Walkmanシリーズは第2四半期、同社の出荷台数の3分の1を占めた。また新WalkmanシリーズW960とW910は、年内の出荷開始が予定されている。また同社は、インドに独自の研究開発センターを設立する計画を発表しており、この計画が、既にインドに製造拠点を構えるFlextronicsとFoxconnとの製造契約を後押しすることは間違いないとIDCは分析する。
LG Electronicsは、第2四半期に過去最高の出荷台数を記録したものの、4位のSony Ericssonとの差はあまり縮まっていない。一方、ChocolateやenVといったハイエンド端末が貢献して、同社の営業利益率は1年間で0%近辺から10%強まで改善しているという。
メーカー | 出荷台数(単位:百万台) | シェア(%) | 前年同期比(%) |
---|---|---|---|
Nokia | 100.8 | 37.0 | 28.6 |
Samsung | 37.4 | 13.7 | 48.4 |
Motorola | 35.5 | 13.0 | -31.6 |
Sony Ericsson | 24.9 | 9.1 | 58.6 |
LG Electronics | 19.1 | 7.0 | 27.3 |
その他 | 55 | 20.2 | 13.4 |
合計 | 272.7 | 100.0 | 16.2 |
(資料:IDC Worldwide Quarterly Mobile Phone Tracker) |
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