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ケータイ顔写真採点 「写メコン」って何?

» 2007年09月04日 13時41分 公開
[ITmedia]

 「写メコン広場」「女の子集まれ、採点するよ!」――携帯電話向けゲーム&SNSサイト「モバゲータウン」の掲示板にあったこんなスレッド、何気なくクリックして驚いた。中高生のユーザーが、自分の顔写真(「写メ」「顔写メ」と呼ばれる)をアップロードし、見知らぬユーザーに点数を付けてもらってお礼を言っているのだ。参加者は女子中高生が中心。採点者には男性も多い。

 顔写真のネット掲載すら警戒する記者(28歳女性)はその様子に面食らったが、参加者に聞いてみると「楽しい暇つぶし」「アバターではなく顔が見えるのが面白い」と、意外と気軽に利用しているようだ。

記者(28歳♀)も参加してみた

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 写メコンは、モバゲーのコミュニティー機能「サークル」でよく行われる。専門サークルも複数あり、最大のものには3万人以上の会員が。各サークルには毎日何十ものスレッドが立ち、ひっきりなしに写メ採点が行われている。

 楽しさはやってみれば分かるかも――記者はそう思い、自分の写真をアップしてみることにした。大学時代に、台湾のコスプレ写真スタジオで撮った、メイクもライティングもばっちりの“変身写真”を発掘。携帯カメラで撮影し、それを投稿してみることにした。

 酷評されるとつらいので「甘口採点」と書かれたスレッドをいくつか選んで投稿すると、ものの2分もしないうちに評価してもらえた。「70点」「☆3つ」。点数は微妙だが「タレントみたいですね」「かわいい」なんてコメントをくれることも。投稿後には見知らぬ男性から「写メ見たんですが友達登録してください」というメールも来て焦った。

 写メコンは、携帯カメラを使った暇つぶしには悪くないかも――というのがやってみた感想だ。記者やそれより下の世代の女性は、プリクラで顔写真を撮影し、誰かと交換するのを楽しんだ世代。別人のようにうまく撮れた写真を誰かに見せたい、という気持ちは分かるし、ほめてもらえば悪い気はしない。

顔写真、なぜアップ?

 写メコンに投稿している何人かの女子中高生に、モバゲーのメッセージ機能「ミニメール」で参加理由を聞いてみた。「友達に誘われたから」「暇つぶしになるから」「もっとかわいくなりたいから、欠点を指摘してほしい」――さまざまに挙がったが、かなり気軽に参加している様子だった。

 採点しているユーザーからは「モバゲーのプロフィール画像はアバターだが、写メコンで顔写真も見られると、絡む(交流する)時により楽しい」という答えもあり、他ユーザーと絡むきっかけとしても利用している様子だ。実際「○点以上はミニメよろしく」「☆3つ以上は絡みに行きます」などと、交流――特に男女の交流――を目的にした写メコンは多い。

 投稿した写真は悪用される危険性もあり、参加者も多くがそれを認識しているよう。評価してもらったらすぐに削除したり、画像に重ねて「悪用禁止」と書くなど自己防衛を行っているユーザーがほとんどだ。ただ「かわいい子は悪用されるかもしれないけど私はキモイから大丈夫」(中学生女子)などという参加者も多く、あまり切迫した危機感は感じられなかった。

 写メコンスレッドの様子や、参加者とのミニメールのやりとりで記者が感じたのは、彼女ら(「彼ら」もいる)は見知らぬユーザーとの交流にあまり抵抗がない、ということだ。記者も見知らぬ人のはずだが、ミニメに気軽に返事をくれ、いろいろ気軽に話してくれた。写メをアップして採点してもらう行為も、彼女らにとってはミニメと同じぐらい気軽なコミュニケーションの1つなのかもしれない――そんな風に感じた。

 女子中高生の文化に詳しい「ギャル社長」こと藤田志穂さんは「ティーンには写メを見たい、見せたい、と思う傾向がある」と語る。「写メは文字よりも豊かな表現ができ、コミュニケーションツールになる。女の子は自分が可愛く写る、うまい撮り方を知っているから、自信を持って公開できるのでは。ある意味バーチャルと割り切って、もう一人の自分感覚で公開しているのかもしれない」

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