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ハトシェプスト女王のミイラ“発見”に迫るドキュメンタリー、23日に放映

» 2007年09月11日 19時19分 公開
[ITmedia]
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 ドキュメンタリー専門チャンネルのディスカバリーチャンネルは、古代エジプトの女王のミイラを同定するまでを紹介する番組「今甦るハトシェプスト女王のミイラ」を9月23日午後7〜9時に放送する。

 ハトシェプストは、3400年前のエジプト第18王朝(新王国)のファラオ(王)。壮麗な葬祭殿などで知られるが、死後はその功績は消し去られた。

 今年6月、エジプト考古庁とDiscovery Channelは、ある身元不明の女性のミイラをハトシェプストだと発表して驚かせた。19世紀に別の墓で見つかっていたハトシェプストの歯と、20世紀初頭に「王家の谷」で発掘されたミイラの歯茎が一致。既に確定していた親族のDNAと比較するなどし、このミイラが古代エジプト初の女王だと断定した。

 同定作業には、著名なエジプト考古学者ザヒ・ハワス博士のチームがあたり、Discovery Channelはカイロ博物館にDNA鑑定を行う施設を建設。DNA鑑定をミイラの身元特定に活用するのは史上初だったという。

 番組では、ミイラの身元特定作業を2時間にわたって紹介。3400年前の人物からDNAを取り出し、鑑定する困難な作業の様子などを詳細に報告する。

 ディスカバリーチャンネルは自然や歴史などのドキュメンタリー番組を24時間放送している専門チャンネル。日本ではスカイパーフェクTVやCATVで視聴でき、視聴者数は595万世帯。

「日本のテレビも……」──吉村学長

photo サイバー大学の吉村学長。ハトシェプストは「ハッチェプスート」と発音するという

 放送に先立ち開かれたレセプションでは、日本のエジプト考古学の第一人者・サイバー大学の吉村作治学長が講演した。

 エジプト発掘は今年で41年目という吉村学長は、地中レーダーや人工衛星によるリモートセンシングなど、テクノロジーを取り入れ遺跡の発見につなげてきた実績を紹介。DNA鑑定室を作ったDiscovery Channelの取り組みに触れ、「日本のテレビ業界や企業ももうちょっと考えてくれれば……」と、発掘費用の捻出に奔走してきた吉村学長らしいぼやきも。

photo 発表直後にザヒ・ハワス博士にミイラを見せてもらった

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