東芝は10月31日、HD DVDレコーダー「RD-A301」を12月中旬に発売すると発表した。MPEG-4 AVCを採用し、フルHD番組を1層DVD-Rに最長約2時間記録できる「HD Rec」に初めて対応した。
価格はオープン。実売予想価格について、発表会に出席した同社の藤井美英上席常務は「価格は販売店が決めることだが、HD DVDレコーダーが10万円を切ってほしいという期待が強い。新製品は期待の値段で出すということ」と話し、10万円前後の普及帯価格になる見通しだ。
次世代DVDレコーダーでは、Blu-ray陣営のシャープも実売10万円前後のレコーダーを12月に発売する予定で、東芝の戦略機投入で価格競争も本格化しそうだ。藤井上席常務は「次世代DVD戦争を今年中に終わらせると言ったが、撤回する、もう少し長い目でHD DVDをプロモートしていきたい」と話し、規格争いも長期化しそうだ。
新製品は7月に発表した「RD-A300」の後継機種。HD DVDドライブ(2層HD DVD-R対応)と300GバイトのHDDを搭載。3波対応デジタルチューナー2系統と地上アナログチューナー1系統を備える。
目玉機能はHD Rec。MPEG-2で録画した番組を新開発の「HDトランスコーダー」でMPEG-4 AVCに変換し、現行DVDにフルHD番組を残せる。
HD Recは、DVDフォーラムが策定した規格。HD DVD-VRフォーマットで現行DVD-R/RW/RAM(CPRM対応)を初期化し、MPEG-4 AVCで圧縮したフルHD番組を、次世代DVD用の著作権保護規格「AACS」を使って記録できるようにする。
HD Rec規格の条件として「3倍速以上の読み出し速度」が挙げられているため、RD-A301では搭載ドライブの制限からHD Recの公式対応メディアはDVD-Rのみだが、DVD-RW、DVD-RAMでもフルHD記録は可能という。
MPEG-4 AVC記録のビットレートは3.4Mbpsから17Mbpsまで47段階。3.4Mbps時、1層DVD-Rなら2時間15分、2層なら4時間18分のフルHD記録が可能としている。
デジタル放送の新録画ルール「ダビング10」(コピー9回+ムーブ1回)にも将来アップデートで対応する予定。
東芝の液晶テレビ「REGZA」のリモコンで操作できるようにするHDMI連動機能「レグザリンク」や、対応CATVのセットトップボックスと録画予約連動する機能なども備えた。
サイズは430(幅)×375(奥行き)×69(高さ)ミリ。前機種「RD-A300」から29ミリ薄くなった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR