Facebook AdsはGoogle AdWordsになれるか
Facebook Adsは、Google AdWordsのような大きな成功を収めるのか、それとも実を結ばないまま終わるのか。
すべてはユーザーの反応次第だと、IDCとForrester Researchのアナリストは言う。ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の米Facebookは11月6日、企業がFacebookユーザーに向けた広告を出すことを支援する戦略を発表した。
Facebookで製品を売り込みたい広告主は、ユーザーのプロフィールページと似たようなFacebook Pageを作成できる。Fandangoは映画ページでチケットを購入できるアプリケーションを、Zagatは予約が取れるアプリケーションをそれぞれ作成し、Blockbusterはファンがリストを作成して映画評論をできるようにした。
Facebookのユーザーは、そうしたアプリケーションで取引を実行したりレビューを投稿する際、オプションでそれを自分の友だちに知らせることができる。友だちはSocial Adsでそのことを知らされる。この広告はスポンサー付きコンテンツとしてユーザーのNews Feedに表示されるか、画面左側の広告スペースに掲載される。
GoogleやYahoo!といったFacebookの競合各社が注目しているに違いないこのアプローチは、どう機能するのだろうか。
IDCのアナリスト、レイチェル・ハッピ氏によると、Google AdWordsのキーワードプラットフォームはダイレクトマーケティングにおいて、中小の業者でも広告を利用できるようにしたが、Facebook Adsはこれをブランド訴求において実現可能にするものだ。GoogleのAdWords戦略は、同社が時価総額約2000億ドルの企業へと成長する一助になった。
しかしFacebookユーザーは、製品や企業とのかかわりにはいっさい関心を持たないという選択もできる。さらに、このプロセスにはデメリットもある。ハッピ氏はFacebook Pageを作成しようとしたが、広告を買わないと自分のページに人を招くことができないと話している。
「唯一の抜け道は、まず自分が自分で作ったFacebook Pageのファンになり、それから友だちに自分のプロフィールページに来てもらって、そこからFacebook Pageに登録してもらうことだった。まだあまりスムーズにはいかないが、Facebookが企業に影響力を振るって広告を使わせようとしているのは明らかだ」。ハッピ氏は11月7日、eWEEKにこう語った。
それでもFacebook Adsは新しいモデルを提供している。多くの企業が金を使ってネット広告を表示している一方、Facebookユーザーが友だちと共有する企業の情報が、そうした企業の評判に影響を与えるかもしれない。
「広告は、愛着心によって企業に価値を吹き込む人々から出てくる」とForrester Researchのアナリスト、シャーリーン・リィ氏は11月7日、eWEEKに語った。
広告主は、影響力の強いユーザーを引き付けて自分たちのブランドを友だちに宣伝してもらうため、取り組みを強化して面白い広告を作ろうとするだろう。
相変わらず一部業界観測筋が気にしているのは、Facebookからデータを引き出せるかだ。これについてはFacebookのマーク・ズッカーバーグCEOが10月17日のWeb 2.0 Summitでも触れた。
例えばBlockbusterのMovieCliqueは、Facebookユーザーが映画のリストを作ってレビューを投稿し、友人と共有できるアプリケーションだ。
リィ氏によると、こうしたリストやレビューはFacebook内に存在するが、Blockbuster.comで再現することはできない。Facebookがリストやレビューに双方向性を持たせれば、コンテンツによってパートナー関係が強化され、Blockbusterのブランドはもっと広まるだろうと同氏は見る。
もちろん、仲間内で広める広告プラットフォームを作り出すことで、Facebookはプライバシー懸念というもう1つの問題を呼び込む(あるいは再び呼び込む)ことにもなる。
米連邦取引委員会(FTC)は11月1日、広告主がユーザーのWeb上の活動に関して情報を収集し過ぎていると苦言を呈したが、Facebookは会員が公開している情報のみを利用し、広告主にその情報は渡さないと約束した。
Forresterのリィ氏はビジネス用と個人用、2つのFacebookアカウントを持っているが、同氏によるとSNSでのプライバシー懸念は大げさだという。なぜなら、サイトの性格からして、ユーザーはほかの人に見付けてもらいたがっているのだ。
それに、Facebookは金もうけのために自分の情報をさらす人には食いつかない方針だ。
Facebook Adsは一部ユーザーを遠ざけてしまうかもしれず、ユーザーはこのサイトがそれでも自分に合っているかどうかを決めなければならなくなる。しかしほとんどは熱心な固定ファンで、新しい機能にすぐに馴染んでくれるだろう。
この広告システムでCoca-Cola Companyなどの広告主にユーザーを送り込めなければ、広告主が撤退してしまう可能性も十分ある。そうなればFacebookは振り出しに戻るわけだが、150億ドルの資産価値を持ち、Microsoftがバックに付いている現状自体、悪くない。
Googleが広告プログラムでやったようなことをやるとは誰も思っていなかったことは覚えておきたい。Facebookの広告が軌道に乗れば、遮るものは何もない。
Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
パナソニックHD子会社、使用禁止の生成AIに従業員約33万人分の個人情報をアップロード
-
2
AIに200万円渡してネットショップを1年運営させてみた──Alibabaの研究者らがシミュレーション 資産14倍の例も
-
3
PHP脆弱性でいち早くサービス停止したコドモン 背景に「被害が出てからでは取り消せない」
-
4
人に注射を打てる「サイボーグゴキブリ」の群れが、がれき下の被災者を救助? 実験成功率72%
-
5
「お名前.com」 のFX自動売買VPS、不正アクセスで金銭被害か 「600万円の損失」「55万円なくなった」……報告相次ぐ
-
6
PayPay、「免許証画像で本人確認」廃止 ICチップ読み取りに統一
-
7
タイムズカー、3000円の見舞金支払いへ 免許証画像漏えいの146万件対象 55億円の特損計上
-
8
1000万のWebサイトで「生きたAPIキー」が大量に“丸見え”状態? 大手銀行やインフラの鍵も 米スタンフォード大などが調査
-
9
PHP脆弱性“PoCフライング公開”の経緯、支援財団が公表 混乱広げた企業を名指しで批判
-
10
「AIでエンジニア派遣は不要になる」のか? 各社に肌感を聞いた 求められる人材、明確に変化
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR