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ニコニコ動画を「まとめサイト」のように楽しむ

» 2007年11月26日 20時41分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 先週のアクセス5位に、ニコニコ動画とSecond Lifeを「時間軸」の観点で比較した、濱野智史さんによる考察に関する記事が入った。

 これによると、Second Lifeのコミュニケーションは「同期的」。アバター同士が出会って会話するためには、同じ時間に同じ場所にいなくてはならない。これに対してニコニコ動画は「非同期的」。同じ時間を共有していなくても、過去のコメントを見ることができ、過去の盛り上がりを再現できる。

 記事では割愛したのだが、濱野さんは「ニコニコ動画はコメントが古い順から消えていくから、過去の盛り上がりを完全に再現できるわけではない」とも指摘していた。逆に言えば、コメントが短時間に大量投稿されれば、古いコメントが一気に消えて動画が最近のコメントに埋め尽くされることになり、「同期的」に近いコミュニケーションも可能になる。

 この「同期的に近いコメントコミュニケーション」でニコニコ動画が盛り上がったケースが、先週末にあったと、読者が投書で教えてくれた。「恋スルVOC@LOID」「Chocolate☆Magic−ドキドキ大作戦−」など人気初音ミク楽曲を作った「OSTER_project」さんの誕生日・11月24日に、OSTERさんの新曲「ミラクルペイント」に大量の「おめでとうコメント」が殺到したそうだ。

 詳しい様子はブログ「日々だらくだるく」で紹介されているが、24日午前0時前からコメントが増え始め、0時直前には投稿1分後にコメントが消えてしまう状態。0時直後には、コメントが殺到しすぎてメッセージサーバが落ちてしまったそうだ。

 その時の様子を、過去のコメントを保存しておける機能「マイメモリー」で保存したユーザー有志が公開してくれており、上記のブログ内のリンクから見ることができる。

 濱野さんは、「ニコニコ動画の仕組みに2ちゃんねる(2ch)文化が生きている」とし、コメント蓄積の仕組みやマイメモリーの機能が「まるで2chスレのまとめサイトのような役割を果たしている」と話していた。今回の「誕生日おめでとう祭り」は、リアルタイムで見られなかったユーザーも、おいしい所だけを保存した「マイメモリー」でポイントだけを振り返り、「祭り気分」を味わえる。

 ただ、OSTERさんの誕生日当日は既に過ぎてしまっていて、今マイメモリーを見てもやはり「後の祭り」。「進行中のスレ」に参加できる同期的コミュニケーションのリアルタイム感・臨場感までは代替できない。記者は23日にこの楽曲を知って気に入り、リピート再生しまくっていたのだが、24日の祭りには気づかず、参加できなかった。せっかくならリアルタイムで見たかったなぁ――と、とても残念だ。

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