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MS、Windows Vista SP1リリース候補版を一般向けに提供へ

» 2007年12月06日 19時48分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 Microsoftは12月5日、Microsoft Connectを通じて「Windows Vista Service Pack 1(SP1)」のリリース候補版を、SP1の初期βリリースを既に試している1万5000人のテスターに提供した。

 しかしMicrosoftでWindowsクライアントを担当するシニアプロダクトマネジャーのデビッド・ジプキン氏が米eWEEKに語ったところによると、12月6日にはMSDNおよびTechNetのすべての会員にリリース候補版を配備ガイドとともに提供し、来週中にはMicrosoftのダウンロードセンターを通じて一般ユーザーにも提供する予定だという。

 「当社の現在のテスターグループには、さまざまなタイプのユーザーおよびパートナーが適度に分散しており、これは素晴らしい状況だとわれわれは考えている。しかしさまざまなユーザー、ハードウェア、ソフトウェアによる非常に多様な利用形態が考えられるため、われわれは広範な人々にテストする機会を提供し、まだSP1を試していないパートナー各社にも彼らのソフトウェアとハードウェアをSP1上でテストする機会を提供したいと考えた」とジプキン氏は説明する。

 しかしジプキン氏によると、同ソフトウェアは12月10日の週にテスト用として広範なユーザーが利用できるようになるが、リスクも伴うため、リリース前のソフトウェアをインストールするのをいとわないユーザーを対象としているという。

 そうとはいえMicrosoftでは、一般ユーザーを対象としたニュースグループを立ち上げ、ユーザーがリリース候補版で経験したことや問題を報告できるようにする計画だ、と同氏は話す。

 ジプキン氏によると、Microsoftがリリース候補版に関してユーザーから得たフィードバックが、今後のテストの方向性を決定するという。Microsoftでは2008年1〜3月期にサービスパックをリリースする目標に向けて作業は順調に進んでいるが、「リリース時期を最終的に決定するのは品質だ」と同氏は付け加えている。

 リリース候補版には、Vistaが製造工程向けにリリースされて以来、これまでリリースされたすべてのアップデートに加え、BitLockerによる複数ボリュームの暗号化のサポート、コピーやネットワークブラウジングといった基本操作におけるパフォーマンスと信頼性の改善、スリープ状態からの復帰時間の短縮といった改良が含まれている。

 また、既存テスターからのフィードバックに基づいて行われた変更(主としてセットアップエクスペリエンスに関するもの)も盛り込まれている。

 「スタンドアロン型インストーラのサイズも小さくした。これはWindows Vistaが動作しているPCにSP1をインストールする実行可能ファイルだ。32ビットプラットフォームでは、5カ国語対応版のサイズは37%縮小して435Mバイトになり、36カ国語対応版では約60%縮小して550Mバイトになった」とジプキン氏は話す。

 さらにMicrosoftの技術チームは、アップデートプロセスのエクスペリエンスも変更し、ユーザーにより詳細な情報を提供するようにした。これによりユーザーは、プロセスの進行状況や、どんな問題が起きているかを把握できるようになるという。

 例えば、PCのハードディスク容量が不足している場合、アップデートプロセスの最初にそのことがユーザーに伝えられ、この問題を解決するには何をすべきかについて詳細なガイダンスが示される。

 SP1をインストールするのに必要なハードディスクの空きスペースも少なくなった。βリリースの32ビット版では7Gバイトのスペースが必要だったのに対し、リリース候補版では、システム構成によっても異なるが、約4.5Gバイトになった。ジプキン氏によると、SP1の最終リリースでは、そのくらいのハードディスクスペースが必要になる見込みだという。

 しかしリリース候補版のコードには、OSのアクティベーションプロセスに対して最も広く利用されてきた2つの攻撃コードを無効にするための変更や、Windows Genuine Advantage Programに対する変更(認証されていないシステムや正規版でないシステムに適用される機能縮小モードを通知システムに置き換えるというもの)は盛り込まれていないという。

 「これらの変更は専門的なテストを必要とするため、現時点では広範に配布しないことにしたが、いずれ社外でのテストを実施する予定だ」(ジプキン氏)

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