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「孫正義とルイス・ガースナーがお手本」――日本HPの小出新社長

» 2007年12月12日 16時09分 公開
[宮本真希,ITmedia]
画像 日本HPの小出伸一社長

 「変化を起こす企業にしたい」――12月1日付けで日本ヒューレット・パッカード(日本HP)の社長に就任した、ソフトバンクテレコム前副社長の小出伸一さんは12月12日、都内で会見し、就任の抱負や今後の方針について語った。

 小出社長は1958年生まれの49歳。青山学院大学経済学部を卒業し、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)に入社。金融システム事業部長などを歴任後、2005年に日本テレコム(当時)に入社し、同社がソフトバンクテレコムに社名変更した06年10月からは副社長兼COOを務めた。07年12月に日本HPに入社し、社長に就任した。

 「Hewlett-Packardグループ全体では、ダイナミックでスピード感のある経営にフォーカスしており、日本HPにも変化に対応できる経営が求められる。しかし変化に対応するだけでは2番手、3番手になる。自ら変化を引き起こすような発信型の企業にしていきたい」と抱負を語る。

社長としてのお手本は?

 小出氏は社長として尊敬する人物について聞かれ、米IBMのルイス・ガースナー元会長とソフトバンクの孫正義社長の2人を挙げた。

 「ガースナー元会長からは選択と集中を学んだ。孫正義社長は現場の人間の声をよく聞いて戦略を立てる方で、経営のかじ取りの仕方が興味深い。変化を起こす側の経営を目指すという点で、この2人は大変参考になる」

 社長に選ばれた理由については「IT業界の経験が長いこと、HPのお客さんに多い通信業界での経験があること、ソフトバンクテレコム時代に事業再生に取り組んできたことなどを評価されたのでは」と分析した。

「お客さんが困った時に、最初に相談する企業にしたい」

 「日本HPの将来の可能性に興味を持って、社長就任を引き受けた」と小出氏は話す。

 「日本IBM時代は競合他社として、ソフトバンクテレコム時代はパートナー企業として、日本HPを見てきた。いろんな角度から見てきて、より成長できる分野は数多くあると感じている。改善すべきところはどこなのか、どんな領域で成長させていくのか――といった具体的な戦略は、お客さんや社員との会話の中から練っていければ」

 今後の方向性については「お客さんが経営やビジネスに困ったとき、最初に相談してようと思ってもらえるような戦略的パートナーになりたい。『このインダストリーのこのソリューション』というようなことではなく、ソリューション全体でお客さんの課題を解決していく」と話した。

 「私のモットーは、実践躬行(じっせんきゅうこう)。机上の空論ではなく、信念に基づいて実際に行動し、リーダーシップを発揮して、結果を残していきたい」

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