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» 2007年12月13日 17時23分 公開

お題に沿って一言どうぞ――“はてな俳句”はTwitter風(2/2 ページ)

[岡田有花,ITmedia]
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「何かに似ていると言われるだろうが」

画像 近藤社長

 Twitterのようで、掲示板のようで、ブログのようでもあるサービス。近藤社長は「何かに似ていると言われるだろうが、テキスト系ネットサービスで、誰も考えたことがないような全く新しいものを作るのは、もはや難しい」と話す。目新しいテキスト系サービスは、作り尽くされているという。

 だが「人と同じものを作っても意味がない」。見た目はTwitterに似ているが、背後にある思想がまったく異なるという。「人間に対して発言するか、お題を設定し、モノに対して発言するかは、ぼくにとって全然違う」。お題の有無で書かれる内容や書きやすさが変わり、引き出す発言の内容が変わっていく。

 それは「iPhoneのようなもの」。iPhoneの新規性は多くの人が認めるが、技術自体が新しかったわけではない。枯れた技術の組み合わせが新しいユーザーインタフェースを生み、使う人の生活を変えた。

 「iPhoneを持って初めて、ぼくは布団の中でもWebブラウザを立ち上げるようになった。『携帯電話は開発し尽くされていて、今さら参入しても意味がない』と言っていたら、iPhoneのようなものは生まれない」

Twitter開発者に勇気付けられた

 Twitter共同創業者、エバン・ウィリアムスさん(35)がたどった道のりに、32歳になった自分を重ねる。ウィリアムスさんは20代でBloggerを開発してGoogleに売却し、その後立ち上げたサービス「Odeo」で失敗。30代になってから開発したTwitterで、再び成功を収めた。近藤社長は25歳で起業し、27歳でヒットサービス「はてなダイアリー」を開発。30歳で米国に渡り、新サービス開発に心血を注ぐ。

 「彼の人生に勇気付けられた。ヒットする新サービスは、学生上がりの若い人でなくても、30代でも頑張れば作れるということ、『Webクリエイター』という職業が成り立つということを示してくれた」

 はてな社内では今夏から、技術者を「クリエイター」と「エンジニア」に分けた。エンジニアは最新のプログラムを学び、美しいコードを書こうと努力する人。クリエイターは、コードやプログラムの最新事情には詳しくなくても、新サービスを発想して形にする力を持つ人。近藤社長はクリエイターだ。「それぞれ求められるものが違うから、混ぜないほうがいいと思う」

 エンジニアが思いついたアイデアを形にして発表し、それがたまたまヒットする――という流れで大きくなったネットサービスは多い。「はてなダイアリー」もその1つ。だが、特にテキストサービスでは、「個人が一発アイデア勝負できる時代」は終わりつつあるという。

 「休みの日に思いついたものを1日で開発し、リリースしたら流行する、という流れは枯れていく感じがする。iPhoneやWii――これはハードだが――のように、組織立ってきちんとモノづくりをしてきた会社が作ったものが評価される時代。他よりも明らかにいいものをきちんと作り、共感を得ていく、というのが必要になってくると思う」

 はてはな昨年から今年にかけ、既存サービスをブラッシュアップしてきた。はてなダイアリーもユーザーインタフェースを改善。ネット初心者に使ってもらい、問題点を洗い出すテストも初めて行った。「全然使い方が分からないと言われてショックを受けたし、恥ずかしかった」

 個人の力でサービスを作り、未完成の状態で公開。ネットの先進ユーザーと共同で形作っていく――はてなが先導してきた「Web2.0的」なものを、はてな自身が否定し始めている。より組織だった体制で、初心者にも使いやすい、質の高い物づくりを志向。サービスの将来を見すえながら、地味でも少しずつ改善していく。まるで「普通のメーカー」のように。

はてなのアカウント1つで、ネットを楽しめるようにしたい

 ハイクはユーザーの声を聞きながら改善していき、新機能も追加していく予定。スターがたくさん付いた書き込みをはてなダイアリーキーワードのキーワードページに表示する――など、はてなの他サービスとも連携も検討する。ビジネスモデルはまだ検討中だが、広告からの収益を見込む。

 「最終的には、はてなのアカウントを1つ持っていればネット上で楽しいことや便利なことが全部できる、というようにしたい。長い記事をゆっくり書きたい人はダイアリーを、1日に10も20もエントリーを立てたい人はハイクを、情報収集したい人はアンテナを、更新情報を網羅したい人はRSSを――と、それぞれの用途について『このツールが便利ですよ』と提示できるようにしていきたい」

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