日本レコード協会は12月25日、「違法着うた」「違法着うたフル」の利用実態調査の結果を公表した。違法公開された楽曲ファイルのダウンロード数は年間約3億9900万と推定。これは正式に有料配信された着うた・着うたフルのダウンロード数を上回る、としている。
調査は昨年に続き2回目。今年は11月12〜15日、野村総合研究所に委託してモバイルアンケートで行われ、12歳から39歳までの携帯電話ユーザー1054サンプルを得た。結果は同協会のサイトで公開した。
調査では、「着うた(ワンフレーズ・フルコーラス含む)を無料でダウンロードできる携帯電話向けサイト」を「違法サイト」と定義した。ただし、プロモーション目的などで一定期間、音楽を無料ダウンロードできるサイトは含まないと回答者には明示した。
調査結果によると、「違法サイト」の認知率は全体の82.5%で、昨年調査から8.5ポイント増えた。利用率は「よく利用している」(11.9%)、「たまに利用している」(25.2%)の、合計で全体の37.1%だった。
利用率を年代別で見ると、10代前半が63.9%と最も高いが、10代後半が11.5ポイント増の56.8%と急増、20代も増えていた。
自らアップロードした経験があると応えたのは、違法サイト利用者の14.0%。10代で減った一方、20代前半では倍増していた。
「違法着うた」「違法着うた」のダウンロード頻度は、着うたが月平均1.9曲と、前回調査から1.4曲減った。一方、着うたフルは0.6曲増の2.0曲になり、着うたを上回った。「違法サイトからのダウンロード対象は着うたから着うたフルに変わりつつある」(調査結果)。10代では、違法着うたフルの月平均ダウンロード曲数が4.5曲となり、前回からほぼ倍増していた。
調査対象年齢の国内人口と携帯電話保有率、携帯サイト利用率、違法サイト利用率、平均ダウンロード数──から算出した違法ダウンロード数は、着うたで1億8916万曲、着うたフルで2億1010万曲と推定した。06年調査で推定した2億8700万曲から大幅に増加している上、9月まで直近1年間の有料ダウンロード数の合計・3億2700万曲を上回るとしている。
また、「違法サイトの利用によって有料サイトの利用が減ったという人が前回調査から増えた」「CDの購入も、違法サイトの利用によって減ったという人が増加した」という結果も出た。
さらに「無料ダウンロードを利用する際に後ろめたさを感じますか」という質問も行い、これに対し「あまり」「全く」の合計で77.1%が後ろめたさを感じない人だったとし、「違法サイトの利用に対し、後ろめたさを感じる人と全く感じない人の二極化が進んでいる」とした。ただ、10代前半では後ろめたさを感じる人の割合が大幅に減った一方、10代後半と20代前半では感じる人が大幅に増えていた。
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