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» 2008年01月17日 14時31分 公開

Microsoft、Logitech買収でAppleに対抗?

この買収が実現すれば、MicrosoftはPC周辺機器やゲームアクセサリーの分野で一気に優位に立てるだろう。

[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 もし米MicrosoftがLogitech(日本ではロジクール)を買収することになれば、同社はZuneやXboxといった製品分野で、Appleをはじめとする競合各社との競争力を強化できるだろう。

 アナリストによると、MicrosoftはZuneやXboxの市場でAppleなどのライバル各社との競争力を強化すべく、スイスに拠点を置くコンピュータ周辺機器メーカーLogitech Internationalの買収を検討中という。

 買収をめぐるうわさが浮上したのは1月7日の週。このうわさを受けて、Logitechの株価が上昇したが、どちらの会社もこの憶測についてはコメントを拒否している。

 もし本当に買収が実現すれば、MicrosoftはPC周辺機器やゲームアクセサリー、モバイルアクセサリー、iPodアクセサリーの分野で一気に優位に立てるだろうと、Enderle Groupの主席アナリスト、ロブ・エンダール氏は指摘している。

 またこの買収が実現すれば、MicrosoftはZuneやXboxに切望されているアクセサリー類を提供できるようになるだろう。エンダール氏によると、Appleに対抗するためには、Zuneにはもっと充実したアクセサリーが必要だという。さらにこの買収が実現すれば、MicrosoftがXboxアクセサリーの開発で直面したような問題もある程度解消されるはずだ。

 「この買収が実現すれば、Logitechは次世代Xboxの設計に大きくかかわることになるだろう。またZuneとLogitechの製品群を組み合わせることで、Appleにとってはるかに強力なライバルが誕生するはずだ」とエンダール氏。

 一方、同氏によると、Logitechは現在ニッチな市場のリーダーにすぎないが、もしMicrosoftによる買収が実現すれば、同社はまったく別の市場に参入するためのリソースを与えられることになる。

 NPD Groupのアナリスト、クリス・スウェンソン氏はeWEEKの取材に応じ、次のように語っている。「MicrosoftはLogitechのリモートコントローラ製品を獲得することで、コネクテッドホームの構想をより一層、より速やかに推進できるだろう」

 「Logitechのリモートコントローラ製品はXbox 360やWindows Media Centerのほか、何千種類もの端末をサポートしている。Microsoftは米国家庭のリビングルームに自社の電化製品を浸透させることを目指しているが、その目標を達成するためにはこうした技術が必要になるはずだ」と同氏は続けている。

 だがDirections on Microsoftのアナリスト、マット・ロゾフ氏は、この買収が実現する可能性については懐疑的だ。その最大の根拠は、Microsoftがそのために支払わなければならない金額だという。

 「おそらくMicrosoftはLogitechに60億ドル近くを支払わなければならないだろう。Logitechの時価総額は1月15日時点で54億6000万ドルだった。いくらMicrosoftであっても、これは大きな金額だ。Logitechが昨年20億ドル以上の売上高に対し、2億3000万ドル近くの利益を計上した安定企業であってもだ。従って、わたしにはこの買収が実現するとは思えない」と同氏はeWEEKの取材に応じ、語っている。

 だがMicrosoftは昨年実際、オンライン広告のaQuantiveを約60億ドルで買収しており、ロゾフ氏によると、このaQuantiveは独立した企業としての最後の四半期決算において1億4000万ドルの売上高に対し1400万ドルの利益しか計上していないという。

 ただし同氏によると、Microsoftは従来この分野では本業での成長を好んできたが、その方針が変わる可能性もある。「もしMicrosoftがハードウェアの種類を拡充し、消費者家電分野での地盤を強化したいと本気で望んでいるのであれば、Logitechはそのスタート地点として理にかなった選択肢ではある」と同氏。

 またエンダール氏によると、Microsoftのハードウェア部門はこのところ苦しい立場にあるという。「特にMicrosoftのようなソフトウェア企業では、ハードウェア技術者に対する関心が薄く、彼らには開発の核となるような基盤が欠けている」と同氏。

 同氏によると、その点、Logitechはこのニッチな分野では、Microsoftも含めたほかの大半の競合企業よりも成功しており、そうした開発の核をMicrosoftに提供できるはずという。

 ロゾフ氏も同意見だ。「Microsoftのハードウェア部門は長いこと事業を営み、堅実に利益も上げているが、ハードウェアを含む同社のエンターテインメント&デバイス事業部門はXboxを除けばそれほど急速には成長していない」と同氏は指摘している。

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