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「プロフィール」で“ヤフーならではのWeb2.0”を

» 2008年01月31日 15時00分 公開
[ITmedia]

 ヤフーは、SNS「Yahoo!Days」のプロフィール機能と友人登録機能を切り出し、新サービス「Yahoo!プロフィール」として2月13日から公開する。

 プロフィールは、ブログや音楽サイト、写真投稿など同社のさまざまなサービスに貼り付けられるようにする予定。ユーザーの“顔”と“つながり”を各サービスに追加し、コミュニケーションを活性化する狙いだ。「Yahoo!Daysを各サービスのハブにしたい」――2年前、オープン当初からの計画が、形を変えてやっと実現することになる。

年内に数十サービスで対応 API公開も

画像 Yahoo!プロフィール

 13日から、招待制だった「Yahoo!Days」を誰でも参加できるよう仕様変更。プロフィールの基礎部分(ハンドルネーム、プロフィール写真、友人一覧、友人からの紹介文)はネット全体に公開し、それ以外の項目(性別や生年月日、母校など)は、公開範囲を「ネット全体」「友人まで」などから選べるようにする。プロフィール写真には「Yahoo!アバター」も利用できるようにする。

 プロフィールに対応するサイトは、当初はYahoo!Daysのみだが、3月末までに4〜5個、年内には数十のサービスで対応していく予定。ユーザー参加型機能を持つサービスを中心に対応させていく。「Yahoo!ブログ」「Yahoo!オークション」などに表示していたユーザープロフィール「公開プロフィール」は、Yahoo!プロフィールに置き換える。

 機能も順次充実させる。友人登録機能では、気になるユーザーを一方的に「お気に入り」登録できる機能を追加。友人やお気に入りユーザーの最新投稿を受け取れる機能も追加する。最新投稿は「Yahoo!メッセンジャー」や「Yahoo!ツールバー」でも受け取れるようにするほか、APIも公開し、外部サイトでもプロフィールを利用できるようにしていく。

既存サービスとの折り合いに時間がかかった

 「Yahoo!Days」はmixiに遅れること約2年、2006年3月にオープンした。当初から「単なるSNSではなく、ヤフーの多様なサービス間をつなぐプラットフォームにしていく」という計画だった(関連記事参照)

 だが他サービスとの連携は進まず“単なるSNS”の状態が約2年以上続いていた。「既存のサービスとの折り合いや、セキュリティーを意識した開発などに時間がかかった」と、同社ソーシャルネット事業部の寺岡宏彰さんは話す。

 当初は、Yahoo!Daysの中に他サービスへの入り口を取り込む連携の形を想定していたが、プロフィール部分だけを切り出す形に転換した。「Daysだとサービスとして型にはまりすぎていて自由度が低いと考えた」ためという。

かぶりは気にせず「多様な入り口」を

画像 寺岡さん

 「ネットユーザーが見たいものは、3つしかないのでは」と寺岡さんは言う。(1)みんなが興味あるもの、(2)気になるユーザーが興味あるもの、(3)仲のいい友人が興味あるもの――の3つだ。ヤフーでは(1)をYahoo!JAPANのトップページなどでカバー。(2)と(3)を、Yahoo!プロフィールでカバーしていく。

 Yahoo!プロフィールを通じ、人気のコンテンツやユーザーが興味のあるコンテンツだけを受け取る機能も装備していく計画。同様な機能は「MyYahoo!」などヤフーの他サービスにもあるが、「ヤフーのサービスは多い。正直、かぶりは気にしていられない」という。

 ヤフーのユーザー層は多様。ヤフーへの入り口もトップページ、メール、ツールバー、ブログ、Daysなどユーザーによってさまざまで、「ソーシャル的なものに興味がない人もかなりの数いる」と見ている。「何が何でもプロフィールを使ってほしい」というよりは、それぞれのユーザーに合った“入り口”からヤフー内に入ってもらいたい考えだ。

ヤフーならではのWeb2.0を

 ヤフーの展開するCGM系のサービスは、長く続いてきた「オークション」「掲示板」以外は、ヤフー全体のユーザー規模からすると盛り上がりに欠ける傾向があった。寺岡さんは「個人的意見だが“ヤフーならでは”の部分が少なかったためでは」と分析する。

 プロフィールは、多様なサービスを持つヤフーだからこそ意味を持つ“裏方”。ユーザーという軸で多様なサービスをつなぐ役割を担わせ、Web2.0的なユーザー発信型プラットフォームとして発展させていく計画だ。

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