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NVIDIAがAMDを買収? アナリストが予測

» 2008年02月14日 16時09分 公開
[Scott Ferguson,eWEEK]
eWEEK

 AMDの新しいモバイルプラットフォームには多くのものがかかっている。

 Technology Business Researchのアナリスト、ダグ・フリードマン氏は2月13日のリサーチノートで、OEMパートナーはAMDが今年後半に投入するノートPC向け「Puma」プラットフォームに不安を持っていると指摘している。

 同氏は、Puma――新しいモバイルCPU「Turion Ultra」と新しいグラフィックスカード、チップセットを含む――に遅れや問題が起きたら、AMDの幹部の交代、さらには身売りにつながる可能性があるとしている。

 2007年末にクアッドコアOpteronで技術的な問題が見つかって以来、AMDは厳しい目を向けられてきたが、同社幹部は問題を修正し、財務の安定を取り戻すことを約束した。

 フリードマン氏はリサーチノートで、グラフィックスプロセッサで知られるNVIDIAがAMD買収を検討するかもしれないと示唆している。1月には、IBMがAMD買収に関心を持っているかもしれないといううわさが流れたが、両社はそれをきっぱりと否定した。

 もしもNVIDIAがそうした動きに出れば、グラフィックス市場のライバル候補を排除することにもなり得る。

 AMDは2006年にATIを買収し、CPUとGPUを同じチップに統合する計画を進めている。同社は当初この計画を「Fusion」と呼んでいたが、今は「Accelerated Processing Units」という名称だ。

 「(NVIDIAのジェン・スン・フアンCEOが)NVIDIAを去ってAMDに行くことまで考えているとは思えない(同氏は実際われわれにそう語っている)」とフリードマン氏はリサーチノートに記している。

 「しかしわれわれは、ホアン氏がAMDを安く買って立て直すというチャレンジに背を向けるとも思わない。さらに、Intel、AMDのCPUとGPUの統合ロードマップはNVIDIAにとっては危険かもしれない。AMDを買収すれば、ホアン氏がAMDの設計を変えられる利点があり、NVIDIAはIntelの有力なライバルになる」(同氏)

 AMDの広報担当者は、Pumaプラットフォームは予定通りに進んでおり、同社は引き続きすべてのOEMパートナーと協力していると語った(フリードマン氏はPumaに技術的な問題があるともほのめかしているが、AMDは問題はないと否定し、Pumaは予定通りにリリースすると明言した)。

 フリードマン氏は、短い電話取材の際、AMDのOEMパートナーは、クアッドコアOpteronとハイエンドデスクトップ向けPhenomプロセッサが遅れたことで、Pumaに対していまだに慎重だとしている。

 幾つか問題はあったものの、IDCの調査によれば、モバイル市場はAMDが2007年に勢力を伸ばした分野だった。

 AMDは同年、モバイルプロセッサの出荷数を伸ばし、x86市場で17.4%のシェアを獲得した。これに対し、前年のシェアは15.6%だった。コンシューマー向けノートPC用の低価格プロセッサと、パートナーに東芝を加えたことが寄与した。

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