リコーはこのほど、容量10Gバイトのオンラインストレージサービス「quanp」β版を3000人限定で公開した。ネットサービスの展開は同社初。β版は無料で、今後有料化に向けて検討する。「ネットの世界に強みはない」としながらも、コピー機などで培ったブランド力で安心感をアピールする。
quanpは、専用のクライアントソフト「quanp.on」を使って、各種形式のファイルをドラッグ&ドロップでアップロード・保存できるサービス。フォルダ内のファイルを更新するたびに自動でアップロードできる機能も備えた。1ファイルごとの容量制限はない。
ファイルにタグやコメントを付けることも可能。ファイルは他ユーザーと共有することもでき、フォルダごとに共有ユーザーを指定できる。
ファイルのサムネイルを一覧表示し、文書のレイアウトや写真を確認しながらファイルを探せるようにした。サムネイルを斜め上から見下ろすような視点で確認できる機能も備えた。
4月をめどに正式版を有料で公開する予定。サイトには、改善要望などを投稿できる「メンバーズフォーラム」も設置した。対応OSはWindows XP SP2以降。
「コピー・FAX機を開発してきたリコーには、ネットサービスを開発する足場はないが、ネット上にも商圏が広がっている」――Web上に新しいビジネスチャンスを見いだした同社は、2年ほど前にネットサービス専門のチームを設置したという。
今求められているネットサービスは何かを調べるため市場調査したところ、写真などのデータを紛失することに不安を持っているユーザーが多いと判明。無料のストレージサービスは「中身を見られているんじゃないか」と嫌悪感を抱くユーザーも10%ほどいたといい、有料のストレージサービスに照準を合わせた。
「リコーはネットの世界に強みはないが経営母体はしっかりしている。安心して使ってほしい」(同社CPS-PTの鈴木弘之シニアスペシャリスト)といい、今後は「quanpの上にいろいろなサービスを乗せていきたい」としている。
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