リクルート子会社のブログウォッチャーは3月11日、SNSの書き込みや、専用ゲームのプレイ履歴などからユーザーの好みを判断し、おすすめ情報やクーポン、広告などを配信する「プロファイルパスポート」の実験サービスを、ユーザー数限定で始めた。
経済産業省の「情報大航海プロジェクト」の一環。さまざまな企業がユーザーの行動を把握し、リコメンド情報を配信するための共通基盤に育てる計画だ。
独自のSNS「Shooti Town」とゲーム「Game0.1a wyrd(ウィルド)」を通じてユーザーの好みを把握し、リクルートのクーポン誌「ホットペッパー」のクーポンのQRコードなどを、ゲーム画面上に配信する。
Shooti Townは、FlashとXMLで構築したアドベンチャーゲーム。WiiやPDAからの操作にも対応した。東京を模した仮想マップ上を歩き、出会った人に話しかけたりしながらクエストをクリアしていく。
ゲーム内で出会うキャラクターから「ユニクロの服は何が好き?」と尋ねられたり、ホットペッパー掲載のレストランでの食事についての意見を尋ねられたりしてユーザーの好みが蓄積されていく仕組み。クエストをクリアすると、ユーザーの好みに合ったレストランなどのクーポンがもらえる。
動画再生機能も備え、再生した動画のタグからユーザーの好みを把握する。今後、ユーザーがゲームのステージやストーリーなどを自由に作成できるツールを無償公開する予定だ。
SNSは、スケジュールやブログ、友人とのメッセージ機能を装備。携帯電話のGPSや、無線LANのアクセスポイント情報から現在地を把握し、移動履歴を履歴を保存する機能も備えた。
ゲームとも連動しており、スケジュールに書かれた予定から行き先を把握し、その周辺にあるレストランのクーポンをゲーム上でプレゼントしたり、レストランに関するブログ記事を書くと、ゲーム内の空き地にレストランが出現する――といった機能もある。
ブログテキストからユーザーの好みの把握するためのテキストマイニング技術や、最適な情報を配信する技術には、東京工業大学や奈良先端科学技術外大学院大学の技術を活用。これらの技術は、情報大航海プロジェクトの成果として無償公開する予定だ。
携帯電話のGPSから把握した位置情報とレコメンデーションシステムとの連動には、KDDI研究所が2003年から研究してきた技術を活用。動画再生・タグ情報把握機能には、メタキャストの技術を活用した。無線LANからユーザーの位置情報を把握する「PlaceEngine」(クウジット)の技術も利用している。
今後は、非接触ICカードの利用情報や、RFIDと連動した情報なども取り込めるようにし、より精密なユーザーの好みを把握していく計画。09年4月にユーザー数制限を解除してβ運用を始める予定だ。10年3月には事業を本格的に始動し、200万会員を目指す。売り上げ目標は12年までに25億円。
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