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富士通研、データセンター内の多点温度測定技術 光ファイバー1本で1万カ所

» 2008年04月07日 09時22分 公開
[ITmedia]
photo 温度測定のイメージ

 富士通研究所は4月4日、光ファイバーを使ってデータセンター内の温度分布をリアルタイムに測定できる技術を開発したと発表した。温度分布を「見える化」し、室内の温度分布に応じて空調を調節することで省エネにつなげられるとしている。

 光ファイバに赤外線レーザーパルスを入射した際に発する「ラマン散乱光強度変化」を使って光ファイバー自体の温度を測る既存技術をベースに、誤差補正技術などを組み合わせることで位置分解能を1メートル以下に向上。10キロメートルの光ファイバー1本で1万カ所以上の温度測定をリアルタイムに行えるようにした。

 測定ポイントごとに半導体センサーなどを設置する従来の測定方式では、センサーごとに電源と通信ケーブルの配線が必要になり、多点測定にはケーブルの管理が煩雑になる上、ラックの増減などに柔軟に対応することが難しい課題があった。

 新方式は低コストで済む上、光を使って測定するため、サーバなどの電気信号への影響もないといったメリットもある。データセンター内の温度分布をリアルタイムに把握することで、空調を細かく制御して冷却効率を高めることが可能だとしている。今後、新技術を活用した空調制御システムなどを開発し、大規模データセンターの省エネ化を進めていく。

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