米国の景気後退が懸念されているものの、第1四半期の世界PC市場は好調で、出荷台数が2けたの伸びを見せた。米調査会社IDCとGartnerが4月16日、最新の調査速報を報告した。
IDCの調査では、同四半期の世界PC出荷台数は前年同期比14.6%増の6950万台。米国では景気の影響で出荷台数伸び率が3.5%に低下したが、EMEA(欧州、中東、アフリカ)やアジア太平洋地域(日本除く)は引き続き好調で、予想を超える成長が見られたという。またコンシューマー向けノートPCが成長のけん引役になったとしている。
IDCは、市場全体は好調だったが、特に米国が不調だったことについて、世界PC市場で「米国の影響力が弱まり、新興市場が重要性を増している」としている。世界PC市場における米国のシェアは2ポイント減の23%だったという。
Gartnerのデータでは、世界PC出荷台数は前年同期から12.3%増えた。同社は、米国市場の実績は予想通りとしており、「市場の状況に根本的な変化はないが、PC市場が米国の景気減速の影響を多少受けていることが示唆されている」としている。IDC同様、GartnerもEMEA、アジア太平洋地域、ノートPCセグメントが好調だったとしている。
ベンダー別では、米Hewlett-Packardが引き続き世界首位に立った。出荷台数伸び率は約17.5%で市場平均を上回るが、上位ベンダー5社の中では最も低かった。IDCのデータでは、HPのシェアは18.6%から19.1%に伸びた。以下、米Dell(シェア15.7%)、台湾Acer(9.9%)、中国のLenovo(6.9%)、東芝(4.4%)と続く。いずれも出荷台数を20%以上伸ばしている。
順位 | ベンダー | 08Q1出荷台数(単位:千台) | シェア | 対前年伸び率 |
---|---|---|---|---|
1 | HP | 13,251 | 19.1% | 17.4% |
2 | Dell | 10,913 | 15.7% | 21.6% |
3 | Acer* | 6,914 | 9.9% | 31.0% |
4 | Lenovo | 4,814 | 6.9% | 21.0% |
5 | 東芝 | 3,069 | 4.4% | 20.6% |
その他 | 30,537 | 43.9% | 2.9% | |
合計 | 69,498 | 14.6% | ||
(資料:IDC Worldwide Quarterly PC Tracker)*AcerのデータにはGateway、Packard Bellが含まれる |
またIDCは、第1四半期のWindows Vista Service Pack(SP)1リリースで企業のVista搭載機の採用意向が高まると予測しているが、同四半期はその影響が非常に小さかったとしている。
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