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「100年データ保存」が可能な新技術――米大学が開発

» 2008年04月22日 11時57分 公開
[ITmedia]

 米カリフォルニア大学サンタクルズ校(USCS)は4月21日、デジタルデータを長期保存できる技術「Pergamum」を開発したと発表した。

 開発したのは、同校のコンピュータサイエンス担当准教授であるイーサン・ミラー氏と、大学院生のケビン・グリーナン氏、マーク・ストラー氏。

 「現在のところ、50年から100年の長期間にわたって稼働する大規模なデータストレージシステムを構築するには問題がある」とミラー氏は指摘する。データ保存にはテープストレージが広く使われているが、保存メディアとしては耐久性など不都合な部分も多い。

 Pergamumはメディアとしてテープの代わりにハードディスクドライブ(HDD)を使う。ただし、HDDだけではなく、フラッシュメモリ、iPhoneに使われているARMのような低価格プロセッサを組み合わせ、イーサネットを備えたシステムを1ブロック(tome)とし、そのブロックを多数そろえてシステムを構成するという仕組み。tomeは必要ないときはほぼシャットダウン状態になり、稼働状態でも消費電力は13ワットで済む。フラッシュメモリと併用することでHDDの起動を必要最低限にし、長寿命化する。

 このtomeはHDDに依存するわけではなく、例えば10年後にHDDが使われなくなっても別のメディアに置き換えれば、ネットワークベースのシンプルな構造を維持できるという。「50年後にはホログラフィックストレージになるかもしれない」とストラー氏。それでも同じプロトコルを使う限り、ストレージネットワークに追加することが可能だ。

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