ITmedia NEWS > 企業・業界動向 >

Intel、難局乗り切り市場シェア伸ばす

» 2008年04月25日 14時42分 公開
[Scott Ferguson,eWEEK]
eWEEK

 2008年第1四半期、米AMDがノートPC向けプロセッサの出荷量を減らし、市場シェアを落とす一方で、米Intelは何とか持ちこたえた。Mercury Researchが4月23日にこのような報告書を発表した。

 同四半期のx86プロセッサ市場におけるIntelのシェアは78.5%と、前四半期から3ポイント以上増えた。ただし、前年同期と比べると2.5ポイント減となる。

 17日に決算を発表したAMDは、前四半期の23%から20.6%にシェアを落とした。約10%の下落となる。前年同期との比較では、シェアを10.2%拡大した。

 Mercuryの報告書は、世界のx86プロセッサの出荷量を調べたもの。

 AMDがクアッドコアOpteronプロセッサの提供で問題を抱えたことはよく知られている。さらにMercuryのアナリスト、ディーン・マカロン氏は、第1四半期はAMDのノートPC向けプロセッサの出荷量が減少し、それによりIntelはシェアを全体的に伸ばせたと指摘する。

 同四半期は、x86プロセッサの総出荷量が前期比で8%減少した。通常は、第4四半期から第1四半期にかけては約6%の減少が見られる。ただしマカロン氏は、米経済の減速はx86プロセッサ市場全体に目立った影響は与えなかったとしている。

 その理由の1つは、米国がx86プロセッサの総出荷量に占める割合が約20%であるためだ。第1四半期には市場全体が縮小したものの、Intelはサーバ販売の増加と、コンシューマーと企業の購買担当者のノートPCへの関心が引き続き高かったことから難局を乗り切った。

 「全体的に、米経済の減速がプロセッサ出荷に影響したことを示すものはなかった。米国が市場全体に占める割合が20%だということが理由の1つだ」とマカロン氏は言う。「Intelの第1四半期決算を詳しく見てみると、北米でサーバ販売が増えており、それをけん引した要因の多くは、同社が昨年半ばにサーバをアップグレードしたことによる」

 AMDが第1四半期にシェアを落とした理由は、コンシューマー市場への依存度が高いことにある。コンシューマーは第1四半期に支出を減らす傾向にあるとマカロン氏は指摘する。一方Intelは出荷量は減ったものの、製品がより多様化されており、企業顧客への販売に頼ることができるためシェアが増えたという。

 第1四半期にはデスクトップ向けプロセッサの出荷が減少した。同氏は、第2四半期にはIntelでモバイルプロセッサの売上高がデスクトップ向けプロセッサのそれを上回り、ノートPC市場の重要性が引き続き示されるだろうと確信している。

 Mercuryによると、プロセッサ市場全体では、第4四半期までにノートPC向けの売上高がデスクトップ向けを超える見通しという。

関連キーワード

Intel対AMD | Intel | AMD | x86


Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.