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RIAA、違法ファイル共有訴訟で1敗

» 2008年05月01日 08時11分 公開
[ITmedia]

 全米レコード協会(RIAA)による違法ファイル共有ユーザー訴訟で、米アリゾナ州の連邦地裁は4月29日、「ファイル共有ソフトで違法ファイルをダウンロード可能にすると著作権侵害になる」というRIAAの主張を退けた。電子フロンティア財団(EFF)が明らかにした。

 この訴訟は、RIAAが違法音楽ファイルを共有したユーザーを相手取った「訴訟キャンペーン」の一環としてジェフリーとパメラのハウエル夫妻を提訴していたもので、EFFは今年1月に被告夫妻を支援する法廷助言書を裁判所に提出し、夫妻の無罪を訴えてきた。

 法廷文書によると、RIAAの依頼を受けた調査会社が2006年1月30日にP2Pファイル交換サービスのKaZaAにログインし、著作権を侵害する楽曲ファイルを含む4000以上のファイルを公開している個人アカウントを発見。実際にそれら違法ファイルをダウンロードし、アカウントがハウエル夫妻のものであることを突き止めた。これを基にRIAAは著作権侵害で提訴に踏み切った。

 今回の裁判で争点となったのは、ファイル共有ソフトで著作権のあるファイルをダウンロード可能な状態にしておいた場合、実際に誰かがダウンロードしなくても、著作権侵害になるかどうかという点だ。RIAAは調査会社が実際にダウンロードできた点を強調したが、裁判所はこれだけでは違法ファイルを広く配信していた証拠にはならないと判断した。またハウエル氏は、著作権のある楽曲については共有できないフォルダに入れていたとし、なんらかの理由でHDD全体が共有の対象になっていたことは知らなかったと主張した。

 この訴訟の次の段階としては、9月に非陪審審理が予定されている。

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