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ゲイツ氏来日、Yahoo!買収断念や「Windows 7」語る

» 2008年05月07日 20時13分 公開
[宮本真希,ITmedia]
画像 ビル・ゲイツ会長

 米Micorsoft(MS)のビル・ゲイツ会長が5月7日に来日して会見し、米Yahoo!に対する買収提案の撤回について「それぞれが独立した方向を追求すべきだという結論になった」と話し、再度の買収提案を否定した。Windows Vistaの次のOS「Windows 7」についても言及した。

 MSはYahoo!に対する買収提案を5月3日に撤回(関連記事:MicrosoftのYahoo!買収提案、3カ月で幕)。ゲイツ氏は「我々はYahoo!と対話するため相当の努力をしたが、それぞれが独立した方向を追求すべきだという結論になった。スティーブ・バルマーCEOがはっきり言っているように、MSは独立した戦略を推進していく」と説明し、再度買収を提案する可能性を否定した。

 次期OSについては「『Windows 7』というトップシークレットのコードネームが付いている。これまで新しいWindowsのバージョンを2、3年に1度出してきたが、今回もこの通りとは限らない」と語った。また「Winsows Vistaは1億4000万コピーを突破している」と、Vistaの好調ぶりをアピールした。

 ゲイツ会長は今年7月に経営の第一線から退き、自身が設立した財団での福祉活動に軸足を移す。「17歳からフルタイムでMSでの仕事をやってきたが、今後はパートタイムの会長になる」

 会見での一問一答は以下の通り。

――検索シェア首位のGoogleに対する追い上げ策は。

 検索の分野ではいろいろなイノベーションが起こるだろう。MSはソフトの技術を使って新しいことに取り組み、広告主には選択肢が増えるだろう。検索ツールの次のバージョンを近く披露する。我々のプロダクトを試してもらうチャンスを提供していきたい。

――日本での今後の戦略は。

 日本はMicrosoftにとって、米国と並ぶ最大市場の1つだが、教育機関での使用率が低い。他国に比べ、オンラインでカリキュラムを受けるといった取り組みが遅れている。教育のオンライン化を進める。

――「Xbox 360」や「MSN」は、日本でシェアが伸び悩んでいるが。

 サーバやOfficeなどMSのコア製品は日本で成功している。Xboxは米国や英国でシェアが高いが、シェアが全くない市場もある。ネットについても投資を続けており、今後ブレイクスルーがあると思う。

――今後10年のコンピューティングについてどう考えているか。

 マシンとのやりとりが変わっていく。キーボードは残るが、ユーザーインタフェース(UI)はもっとシンプルになるだろう。例えば、デスクに触れることで操作したり、声やペンを使って入力するといったナチュラルなUIを使うようになる。これはソフトウェアマジックだ。サーバも大きなビジネスとして残るだろう。

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