矢野:でも、けんすう(古川さん)のミルクカフェを、学校裏サイト呼ばわりするのはひどいよね。僕とけんすうが出会ったのは、ミルクカフェがきっかけでした。予備校時代、僕が通っていた予備校の掲示板をミルクカフェに作ってもらって、掲示板運営についていろいろ相談に乗ってもらったりして(「ネットは遊び場」――「字幕.in」を1人で作る25歳・無職)。
――「ミルクカフェ」はどんなサイトですか
古川:ミルクカフェは僕が受験生だったころ(2000年)、ネット上に受験情報があまりなかったので、情報を出し合える場が欲しいと思って作りました。「どの先生がいい」「どの参考書がいい」という情報を欲しくて。
最初は予備校生用の掲示板だけでしたが、高校生が増えたので、1年後ぐらいに高校生用の掲示板を作り、今は中学生向け掲示板もあります。
生徒個人に関する情報の書き込みは最初から禁止していて、それは今も変わっていません。「何組のなんとかさんがどうなんだよ」という情報は価値がないから。
――個人名が書けないなら、どんな話題で盛りあがるのでしょうか
矢野:学校で話すような一般的な話題だよね。
古川:「この高校に行きたいんだけど、偏差値どれぐらいですか? ギャルとか多いのですか?」とか。荒れることもありますが、ボランティアが対応できるレベルで、問題のある書き込みはすぐに削除されます。それなのに、何でそんなに「学校裏サイト」と書かれてしまうでしょうか……。
――学校裏サイトはいじめの温床とも言われます
矢野:確かに、誹謗中傷と思われる書き込みはあります。でも2ch2では削除依頼があればすぐに削除します。
いじめなどの問題は、学校に潜在的にあったんだと思います。学校は閉鎖された空間だったから、これまで表に出づらかったものが、ネットでみんなが見ることができるようになり、露出し始めたのでは。掲示板がそれを加速させてる部分も、あるとは思いますが。
古川:掲示板は確かに、いじめのツールにも見えますね。学校単位の掲示板だとどうしても個人攻撃になりがちで、恐いです。「A組のあいつってむかつくよな」って言われると傷つきますし。
矢野:そういえば僕たちは、ネットが浸透している時代に学校に行ったことがないよね。
古川:うん、僕らが学生時代には浸透していませんでした。学校裏サイトで中傷されるっていうのは、社会人の立場で言えば、会社ごとの裏サイトがあるようなもの。例えば自分の会社の掲示板があって、そこで自分の名前を挙げて「キモイよね」って書かれてるようなもんだよね。
矢野:確かに、裏サイト以外にも、裏会社サイトとか、今後できたりすると恐いですよね。イニシャルトークでも誰に対する話か特定しやすいし。
古川:それが一番盛りあがるんですよね。僕、そういうサイトを2001年ごろ立ち上げたことあるけど、中傷やうわさ話がひどかったので閉じました。年齢はあまり関係ないのかもしれません。
文字コミュニケーションは過激になりやすいようで、例えばお母さん同士のメールでの中傷が、学校裏サイトと同じぐらい問題になっていると聞きます。
(次の記事:報道が「学校裏サイト」を増やした 削除依頼の実態はに続く)
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