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NetAppとの特許訴訟はオープン対クローズドの戦い――Sunが説明

» 2008年06月28日 08時12分 公開
[ITmedia]

 いまだ解決の糸口が見えないSun MicrosystemsとNetAppの特許訴訟問題について、Sunの法務部門責任者マイク・ディロン氏は6月26日、その経緯と現状について自身のブログで説明した。

 NetAppがSunのファイルシステム「ZFS」に7件の特許を侵害されたとして訴訟を起こしたのち、Sunはこれに反訴し、うち6件の特許について米特許商標局に特許が有効かどうかの再審査を申請した。

 特許商標局は過去2カ月間に及ぶ調査で、Sunの再審査申請の5件を認め、NetAppが主張するこれら特許のいずれにも「substantial new question of patentability(SNQP、特許性に関する新たな問題)」が存在するとの判断を下した(残り1件については保留中)。またうち1件の特許番号6,857,001については、同特許で主張されているすべての権利を却下するとの審査官指令を発行した。

 Sunはこれを受けて裁判所に訴訟の中止を申請。裁判所はNetAppが主張する少なくとも1件の特許については訴訟から外すことを認めた。Sunは残りの特許についても、特許商標局の再審査結果を待っている。

 同時にSunは、NetAppが22件の特許を侵害していると逆提訴した。同社によれば、現時点ではこれら特許について、NetAppによる特許商標局への再審査申請はない。

 25日、米カリフォルニア州北部連邦地裁において、両社による和解のための話し合いが行われた。しかし両社の主張が真っ向から対立、結局物別れに終わったという。

 ディロン氏は和解が成立しなかった理由について、両社のビジネスモデルの違いを挙げている。オープンなビジネスモデルを推進するSunに対し、NetAppはクローズドなモデルを主張しており、今回の提訴の根底にあるのは特許侵害ではないという。また今後世界規模でのオープン化が進むにつれ、同種の訴訟がさらに起きるようになるとしている。

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