世界3大ゲーム機メーカーの一角を占める任天堂が、ホログラフィックストレージの開発に多額の資金を投じる準備をしているようだ。
同社は少し前に、ホログラフィックストレージの特許に共同出願人としてサインした。これは、同社が将来のプロジェクトのための新たなデータ保存方法を模索していることを示している。
ホログラフィックストレージは、興味深い可能性を秘めた半導体ディスクの分野。だが、市場投入に向けて取り組んでいる企業はわずか数社で、開発は停滞しているようだ。
ホログラフィックストレージ開発では米Inphase Technologiesが最大手だが、業界関係者によると、同社は最近何度か失敗し、従業員をレイオフしたという。
Inphaseと任天堂は2007年3月にホログラフィックストレージ特許を共同出願した。この特許は、「アングルマルチプレキシング用の小型の屈曲スキャナ」をホログラフィックストレージの重要なコンポーネントとして使うと説明されている。この特許は2008年2月に米特許商標局が公開した。
Inphaseは自社のWebサイトで、「ホログラフィックストレージ技術を最初に市場に投入する企業」になることを目指していると述べている。同社はベル研究所からスピンオフした企業。
「ホログラフを見ると、イメージが見える。さまざまな角度から見ると、さまざまなイメージが見える」と米Micron Technologyのメモリシステム開発責任者ディーン・クライン氏は語る。
Micronは以前からNOR型およびNAND型のフラッシュメモリを製造しており、ホログラフィックストレージの実現性についてもかなりの研究を行っている。
「同様に、さまざまな視点から見ることでアクセスできる複数のイメージを格納できる素材がある。この魔法の素材――たいていはリチウムニオブ塩酸と呼ばれる――の結晶があり、3Dの結晶上のさまざまな部分にイメージが保存される。イメージにはレーザースキャナでアクセスする」とクレイン氏は説明する。「単純なプロセスではない。魔法は素材に秘められている」
「Inphaseは、十分に開発されていない素材を大量に求めている。ホログラフィックストレージの市場投入にかなりの問題を抱えているのではないかと思う」(同氏)
Vgchartz.comによると、任天堂のWiiは2007年秋以来、市場でナンバーワン。Microsoft(Xbox 360)とソニー(プレイステーション)はそれに続く市場シェアを有している。
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