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MIAUが“ネットの教科書”冒頭部公開 CCライセンスで

» 2008年09月08日 14時04分 公開
[ITmedia]

 MIAU(Movements for Internet Active Users:インターネット先進ユーザーの会)はこのほど、青少年向けネット教材「“ネット”と上手く付き合うために Ver1.0」(PDFへのリンク)の冒頭部分を、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスで公開した。学校の授業で使ったり、保護者に情報教育の指針として参考にしてもらうことを想定している。

 教師や保護者に対してネット教育を説く「はじめに」と、青少年向けの項目「ネットは匿名ではありません」「メールから少し離れてみよう」を公開した。ネットやメールを利用する際の注意などについて、漫画やイラスト入りで説明している。

 「はじめに」では、「子どもたちをネットや携帯から遠ざけようとするのではなく、ネットの良い面を残しつつ、有害情報に惑わされないようにすることが大切」と説き、フィルタリングやペアレンタルコントロール、情報リテラシー教育について紹介している。

 「ネットは匿名ではありません」では、掲示板に書き込むときの注意やメールを悪用したなりすましなどについて説明。掲示板に書き込むとログが残ることなどから、「匿名なら自分は安全」「匿名なら自分が責任を問われることはない」と思い込むのは大きな間違い――と警告している。

 「メールから少し離れてみよう」では、携帯メールに夢中になるあまり勉強に手がつかなくなったり、食事中でも携帯を手放せないといった「メール依存症」になっていないかを確認できるチェックシートを公開。メールの使いすぎに注意を促している。

 技術に詳しくない教師でも活用できるよう、技術用語を最低限にし、平易な言葉で説明したほか、1章の分量を学校の1時限の中で余裕を持って扱えるよう構成した。

 クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの「表示・継承」を付けて配布しており、原著作者としてMIAUの名前を表示すれば、無償で複製・配布したり、同教材を元に新しい教材を作成できる。

 MIAUは今年6月に成立した「青少年ネット規制法」(青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律)の法案検討時から「ネットリテラシー教育を充実させるべき」と訴え、「インターネットの教科書」を作成するプロジェクトを立ち上げていた。今後も利用者のフィードバックを受けながら、教材の制作を続けていくとしている。

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