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化粧した自分の顔、脳は「他人に近い」と認識 カネボウの研究で判明

» 2008年10月15日 07時00分 公開
[ITmedia]

 自分の化粧した顔を見ている時の脳活動は、他人の顔を見ている時に近い――カネボウ化粧品の研究で、こんな結果が出た。

 脳科学者の茂木健一郎さんと共同で昨年7月から実施している「『化粧・美×脳科学』プロジェクト」の研究成果の第1弾として、10月14日に発表した。

 自分の顔を見た時と他人の顔を見た時では、活動する脳の領域が異なる。研究では、自分の素顔や化粧した顔、他人の顔を見た時の脳活動をそれぞれ、fMRI(機能的磁気共鳴映像法)で測定し、化粧によって認知活動にどのような変化が起こるかを実験した。

 自分の化粧をした顔と他人の顔を見た際、人の顔を認知する際に特徴的に活動する右脳の「紡錘状回」(ぼうすいじょうかい)で、同じような活動が確認されたという。「自分の化粧した顔を社会的に認知されたものとして客観的に捉えていることが分かる」と同社は分析している。

 自分の素顔を見た時は、自分の顔を認識する際に活動する部位で脳活動が認められた。「化粧した顔よりも素顔の方がより“自分らしい”と認識している」(同社)というわけだ。


画像 赤線で囲んだ部分が紡錘状回。緑の部分は自分の顔を見たときに特徴的に活動する部位、青の部分は他人の顔を見たときに特徴的に活動する部位
画像 赤い点線で囲んだ部分が自分の顔を認識する時に活動する部位

 プロジェクトは、脳科学という切り口で「美の本質」「化粧の本質」を研究し、「化粧品の多様な価値を理解する」ことが目的。

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