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FCC、未使用テレビ周波数帯の自由化を決定

» 2008年11月06日 07時54分 公開
[ITmedia]

 米連邦通信委員会(FCC)は11月4日、未使用テレビ周波数帯(通称「ホワイトスペース」)をワイヤレスインターネット通信向けに開放する案を満場一致で承認した。

 広範囲をカバーするこの周波数帯を活用すれば、低コストでWi-Fiネットワークが構築できるとして、Google、MicrosoftなどのIT企業が中心となり、開放を求めてきた。

 FCCが「Second Report and Order(Second R&O)」案を承認したことにより、テレビ周波数帯が使われていない場合、その周波数帯をワイヤレス端末が使用できるようになる。参入するメーカーは端末のサンプルをFCCに提出し、FCCのテストを経て認可を受ける必要がある。

 未使用テレビ周波数帯での利用が認められるのは、周波数を検知する技術に加え、地理位置情報機能と、テレビ局やCATV局の使用状況データベースにアクセス可能な機能を搭載する端末。データベースにアクセスすることで、その場所においてどの周波数が空いているかが分かる。FCCは、これらの機能のうち周波数検知機能のみを搭載する端末の利用も認めるが、承認に時間がかかるとしている。

 無線マイクの通信が妨害されるという懸念については、無線マイクをデータベースへ登録することで、テレビなどと同様に保護されるとしている。

 Google、Microsoft、MotorolaなどはFCCの今回の決定を歓迎するコメントを発表した。Google共同創設者のラリー・ペイジ氏は公式ブログで、「1人のエンジニアとして、FCCが政治よりも科学を優先させたことをうれしく思う。周波数の開放により、どこでも誰にでもワイヤレスインターネットを提供できるようになる」と述べた。

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