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ソーシャルコンピューティングがオープン化、サービス連携が常識の時代に NRI予測

» 2008年11月19日 18時35分 公開
[ITmedia]

 野村総合研究所(NRI)は11月19日、SNSやブログなど「ソーシャルコンピューティング」のオープン化が進み、サービス連携が加速する──と予測した2013年度までの「ITロードマップ」を発表した。ユーザーデータの持ち運び(データポータビリティ)が普及し、Web上に分散していた自分の社会的なつながりやデータを再構築できるようになり、Web上のサービスや他人とのコミュニケーション記録を自由に組み合わせて一貫した体験を実現する、といったことも可能になっていくという。

photo ロードマップ(ニュースリリースより)

 09年度までは、OpenIDの普及で、サービス事業者間で緩やかなサービス連携が始まる段階。10〜11年度はソーシャルコンピューティングの発展期で、OpenSocialやFecebook Platformなどに対応したサービスが多数登場。開発者は、一度アプリケーションを作ればさまざまなSNSに展開できるようになり、ユーザーは豊富なアプリケーションを利用できるようになる。様々なサービスを利用するようになったユーザーからは、データを持ち運んで加工したいというデータポータビリティのニーズが生まれてくる。

 12年度以降はデータポータビリティが普及期を迎え、ユーザーはサービスの垣根を越え、必要に応じて自分のデータを集約できるようになる。「その結果、ユーザーはWeb上での体験を総合的に考慮した結果をもとに、最適化されたコンテンツやサービスのレコメンデーションを享受できるようになる」という。

 サービスごとに分散していたユーザーの社会的なつながりや行動に関する情報を集約できるようになると、企業はユーザーのWeb上での消費活動やコミュニケーションを把握してサービスを提供できるようになる。逆に言えば、自社サービス内における消費活動だけでなく、ユーザーの社会的な行動まで把握した上でのサービスの提供が重要となるため、企業にとってもソーシャルコンピューティングの重要性は増すと考えられる、としている。

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