この12カ月間、Hewlett-Packard(HP)、Dell、Acerなどの企業が「Netbook」製造に引きつけられているが、一部セグメントでは、低価格ノートPCがより高額なハイエンドノートPCの市場シェアを奪っているという懸念が持ち上がっている。
Netbookはポータブルコンピューティング分野に比較的最近登場したものだが、既にその影響は感じられる。この不況の中で消費者や一部企業のIT購買担当者は、節約しつつネット接続のニーズを満たすためにNetbookに目を向けてきた。
Dellは2月19日、「Inspiron Mini 9」「同12」に続き、Miniシリーズの最新モデル「Inspiron Mini 10」を発表した。価格は399ドルからで、Dellはこの市場セグメントで競争力を維持できる。
Mini 10は多数のNetbookと同様に、IntelのAtomプロセッサを搭載している。AtomとNetbook人気のおかげもあって、IntelはAMDやVIAとの厳しい競争の中で市場シェアを伸ばしている。
しかし今度はそうした状況から、メディアが「安価なNetbookがノートPCと食い合う」といった見出しを掲げるようになった。だが、NetbookがよりハイエンドなノートPCの市場シェアに及ぼす脅威はどこまで現実的なものなのだろうか?
この問題について、HPのマーク・ハードCEOは先日のアナリスト向け四半期決算報告で取り上げなければならないと感じた。世界最大のPCメーカーの座を維持しているHPは最近、「HP Mini 2140」「HP 2133 Mini-Note PC」など、NetbookやミニノートPCを多数投入した。
ハード氏にとって、これはさらなる調査が必要な問題だ。
「Netbookの80%が新規の売り上げで、20%はノートPC市場のローエンド部分を食っているという専門家と称する人たちの報告書を見たことがある」と同氏は2月18日の決算報告電話会見で語った。
また同氏は、HPは比較的最近Netbookを立ち上げたため、Netbookが本当にほかのノートPCと売り上げを食い合っているのかについて、「アナリストの皆さんに十分な数値と消費者データを提供できるまでに幾らか時間がかかる」と語った。だが、現状で見えている兆候は、ほかの要因を指し示していると思うと同氏は言う。
「売り上げを奪っているのは、Netbookへのシフトではない」と同氏は付け加えた。「高スペックな構成のノートPCを購入する人が、今はもっと低スペックな構成のノートPCを買っている。それがASP(平均販売価格)に変化を及ぼしている」
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