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OracleのSun買収、舞台裏で何が起きていたのか(1/4 ページ)

» 2009年05月25日 07時00分 公開
[Chris Preimesberger,eWEEK]
eWEEK

 米Sun Microsystemsが5月12日に米証券取引委員会(SEC)に提出した文書では、米Oracleの56億ドルでのSun買収の背景が詳細に説明されている。Sunはその中で、同社取締役が満場一致で承認したものの、一部株主の怒り――そして3件の集団訴訟――を呼んだ買収案のロジックについて説明している。

 Sunは2000〜2001年にハイエンドワークステーション・サーバが傾いて以来、10年間で数十億ドルの赤字を出している。同社は今後数年間を生き残る現実的なチャンスは、同社を補完する製品を持つ企業に買収されることだけだと信じていた。

 SECの書類によると、Sunは3社の候補と話をした。だが書類にはOracleの名前しか出ていない。業界筋はeWEEKにオフレコで、ほかの2社は米IBMと米Hewlett-Packard(HP)だと話した。

 このとき情報筋は、IBMが買収の準備をしており、送金の用意までしていたと話していた。後にこれはSECの書類で確認された。しかし、SunとIBMの交渉は「取引の確実性の問題に対処する必要性」に集中していたとSECの書類にはある。

 法律および規制の面で不確実な点が多かったため、IBMは連邦当局に訴訟を起こされても買収を完遂するという保証はしたがらなかった。IBMとSunの製品が合わされば、IBMはハイエンドデータセンター市場でかなりのシェアを獲得することになり、独禁法違反の疑いで調査を受けていた可能性がある。

 SECの書類で明らかになったことでもう1つ面白いのが、Oracleが3月12日にSunのソフトウェア資産のみを買収し、少数の普通株を保有することを提案していたことだった。eWEEKは数日後、HPがある時点で、その取引の一環としてSunのハードウェア資産の取得に関心を持っていたと聞いたが、そのことはSECの書類では触れられていない。

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