ひろゆき氏は「大学で何かを学べると思っているのが間違い。いかに授業に出ず、要領よく単位をもらって切り抜けるかということ」だと、大学の講義にあるまじき発言。「要領がない奴が、授業にまじめに出て教職取って、『学校の先生しか仕事がありません』とか言う」などと話し、夏野氏が「また嫌なこと言うねぇ」と突っ込んだ。
学生からお金に絡む質問が出ると、ひろゆき氏は「お金がなくても、やりたいことを達成するにはいろんな手段がある。衛星がほしいなら関連する組織に就職したり、クルーザーに乗りたければ持っている人に土下座すればいい」と回答。三木谷氏は「昔みたいにバブリーな感じではないが、サッカーチームに一番お金がかかっている」と答えた。
「楽天はなぜうまくいったのか」――学生からのこんな質問に、三木谷氏は「ベンチャーで必死でやっていたことや、先行者メリットがあったこと」などを挙げた。
「楽天市場」以前のネットのショッピングモールは、印刷会社や商社が運営。カタログショッピング用のコンテンツをネットにそのまま掲載する、といったスタイルだったという。
楽天は、「個々の店舗にページの編集権を与えた」のが画期的だったと三木谷氏は振り返り、「社員に、店舗を助けたいという気持ちが強い」とモチベーションの高さも強調。ほかのモールと機能面でも差が付いていると話した。
ひろゆき氏が「似たようなシステムはお金さえ払えば作れるのでは? 給料が高いんですか?」と突っ込むと、三木谷氏は「ほかの会社よりは高いかもしれない」と応じた。
楽天には出戻り社員も多いという。成長を続けるSNS「GREE」を運営するグリー田中良和社長も楽天出身。ひろゆき氏が「田中さんを外に出したのはもったいなかったのでは。グリー、買っちゃう?」とたずねると、三木谷社長は「グリーは高すぎるので」とやんわり否定した。
成功するために「してはいけないこと」は――そんな質問に対して三木谷氏は「世の中の言うことをうのみにすること」と答えた。楽天市場を始めたころも「世の中の100人に99人が、モールはダメと言っていた」という。「常に常識を疑うべきだ」と三木谷氏は話す。
ひろゆき氏が「まっとうなアドバイスまで疑ってたらきりがない」と返すと、三木谷氏は「人を見て、この人がいうことなら聞こうと判断する」と返答。「それならひろゆきが言うことは聞かない」と夏野氏が茶化すと、ひろゆき氏が「聞いといたほうがいいですよ」、三木谷氏が「教えてください」と返すひと幕も。
三木谷氏が「失敗した」と思ったことは、「もうちょっと早く海外展開すべきだった」こと。楽天市場は2007年に台湾に進出したが、「仕組みがシンプルなうちに海外展開しておけば、日本のものをそのまま持って行けた。複雑になればなるほど、同じものをコピーして海外展開するのが難しくなる」と感じたそうだ。
ただ海外には、楽天のようなショッピングモールモデルを採っている企業がほとんどないそうだ。「出店者にノウハウを教え、サポートしながら運営するという楽天のモデルは人手がいり、結構めんどくさい。そういう意味では海外でもいけそう」と手応えを感じているという。
――1時間半にわたる講義では学生の笑い声が絶えず、終了持に3人は大きな拍手に包まれていた。
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