「スマートフォンユーザーはこれまで、ITリテラシーの高い人が中心だったが、もっと幅を広げたい」――NTTドコモの山田隆持社長は、4月発売予定のAndroid端末「Xperia」(エクスペリア)の狙いをこう述べる。
Xperiaのキャッチフレーズは「新感覚エンタメマシン」。ネットと連携した動画や音楽関連機能などが特徴。これまでスマートフォンに興味はなかったが、携帯にエンタメ機能を求める20〜40代のユーザーを開拓。音声ARPUが低迷する中、パケットARPU向上のキラー端末にしたい考えだ。
「ハードとソフト両面で、iPhoneより優位性がある」と、iPhoneとの競争にも自信を見せる。
Xperiaは、Sony Ericsson Mobile Communications製のAndroid端末。4インチのフルタッチスクリーン、1GHz Snapdragonプロセッサ、8.1メガピクセルカメラを搭載し、Wi-Fi接続にも対応した。16GバイトのmicroSDカードを搭載した。世界で発売予定だが、先行して日本で発売。ワールドワイドモデルをベースに日本向けにカスタマイズしており、おサイフケータイやワンセグ機能などは付けていない(写真で見る“エンタメAndroid端末”「Xperia」)。
「新機能を取り入れた斬新な端末」と、山田社長は自賛する。エンタメ機能の売りは、動画や音楽、写真を一元管理できる「Mediascape」だ。ネットと連携し、再生中に関連する動画や楽曲のWeb検索も可能。YouTubeの高画質モードにも対応し、高精細なミュージックビデオも閲覧できる。
もう1つの売りは「Timescape」。友人とのメールや電話、Twitterやmixi、Facebookでのやりとりの履歴などを一元管理できる機能だ。顔写真を電話帳に登録しておけば、microSDに保存した写真と電話帳の写真をマッチングし、友人の写っている写真を自動で探せるといった機能も備えた。
日本語入力機能「POBox Touch 1.0」を搭載。母音のキーを大きく取るなど、日本語入力のしやすさにも配慮している。
アプリはAndroidマーケットからダウンロードして追加できるほか、端末発売に合わせてスマートフォン向けアプリポータル「ドコモマーケット」を新設。Androidマーケットのおすすめアプリを紹介するほか、パートナー企業からアプリを募るなどして独自のアプリも用意する。当初は100アプリほどを提供する予定だ。
「Androidマーケットは日本語と英語のコンテンツが混じり、日本の携帯に慣れ親しんだ客には利用しづらい」(山田社長)と考え、独自のポータルを構築。「これから世界のうねりはオープンになっていく」とし、Windows MobileなどAndroid以外のOSにも対応する。年内をめどに、コンテンツ料金を携帯の月額料金と一緒に支払える課金代行サービスを始める予定だ。
国内スマートフォン市場では、ソフトバンクモバイルのiPhoneが先行。当初はITリテラシーの高いユーザーが利用していたが、割り引きキャンペーン「iPhone for everybody」の継続的な投入などで、広く普及し始めている。
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