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バンダイナムコゲームス、希望退職200人募集 ゲーム・映像音楽の統合で「リスタート」

» 2010年02月02日 20時28分 公開
[ITmedia]

 バンダイナムコホールディングス(HD)は2月2日、ゲーム子会社のバンダイナムコゲームスで従業員の1割以上に当たる200人の希望退職者を募集すると発表した。家庭用ゲームソフト販売などが厳しく、リストラに踏み切る。ゲーム事業と映像音楽コンテンツ事業を統合するなど、組織・体制の変更も実施。売り上げ低迷と特別損失の計上で、2010年3月期は310億円の最終赤字に転落する見通しだ。

 バンダイナムコゲームスの従業員数は1927人(昨年末時点)。希望退職者には割増退職金を支払い、3月末で退職する。約20億円の人件費削減効果を見込んでいる。

 映像子会社のバンダイビジュアルなどでも、既存の早期退職優遇制度などの活用で、2011年3月末までにグループ全体の約1割に当たる約630人の人員減少を見込む。

 バンダイナムコHDは同日、10年3月期の連結業績予想を下方修正した。売上高は従来予想から200億円減の3800億円。国内のキャラクター商品や業務用ゲーム機は堅調だったが、家庭用ゲームソフトは「鉄拳6」が計画を達成したものの、ほかの主要タイトルが計画未達という厳しい結果に。映像音楽コンテンツも映像パッケージ市場縮小の影響を受けるなど、グループ全体で苦戦した。

 1〜3月期の販売計画は見直さざるを得ない上、ゲーム・映像ソフト在庫の損失処理、特別退職金加算などでコストがかさみ、最終損益は85億円の黒字としてた前回予想から一転、310億円の赤字に転落する。

 業績悪化を受け、同社は「経営統合で効率化・コスト削減に一定の成果はあったももの、事業面におけるスピードがダウンし、マーケット環境やユーザーの好みの変化に柔軟に対応した製品・サービスを提供しきれなかったことが収益力低下につながった」と自己分析。2010年度(2011年3月期)以降、収益力と財務体質を強化する「リスタートプラン」に着手する。

 具体的には、現在のゲームコンテンツ事業と映像音楽コンテンツ事業を「コンテンツ事業」に統合する。コンテンツの創出を目指す「プロデュース集団」と、プラットフォーム向けにコンテンツを提供する「パブリッシャー機能」という2つのバーチャル組織で事業を運営する。

 ゲームと映像音楽に分けている現在の「出口」別組織では「コンテンツの展開エリアが限定される弊害が起きる可能性がある」といった反省に立ち、会社の枠にとらわれないバーチャル組織で事業体の内部を集約。創出機能を強化し、市場変化に合わせて迅速かつ柔軟にコンテンツを提供できる体制を構築するのが狙いだ。

 新たな出口の1つとして、ライブイベント事業に参入。4月1日付けで「バンダイナムコライヴ」をバンダイビジュアルとサンライズの出資で設立。社長は井上俊次ランティス社長が兼任する。

 再編に伴い、バンダイナムコゲームス代表取締役社長をバンダイナムコHDの石川祝男社長が兼任し、現在の鵜之澤伸社長は代表取締役副社長として2トップ体制でコンテンツ事業の早期立て直しに取り組む。

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